''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

祇園祭 白楽天山に見る禅語のすすめ

7月17日は祇園祭の山や鉾の巡行日です。
京都にすること20年近く未だ巡行は見たことがありません。
あの人ごみの中を過ごすのはちょっと苦痛です。

京都の人も、あまり見たことがないと思います。
テレビで見るものと思っているのかもしれません。

でも、祭りは宵山(16日)や宵々山(15日)の夜に繰出す事は好きみたいです。
若い女の子の浴衣姿に季節を感じます。
華やかな夜となります。

30代40代の女性の浴衣姿もなんとも町に溶け込みます。
京都の祇園祭にいると肌で感じます。

この中にあって、ちょっと分かりにくい山があります。
楽天山です。
二人の人物が立ったいる山です。


楽天山 (はくらくてんやま) 室町通綾小路下ル

中国・唐時代の有名な詩人「白楽天が」道林禅師に仏法の大意を問うシーンを表現しています。唐冠を付けた人形が白楽天で、帽子をかぶった僧の人形が道林禅師。
 天明や元治の大火の時に胴懸や人形の胴を失い、その度復元を繰り返してきた。
 前懸は、トロイア城陥落を描いた16世紀の毛綴(タペストリー)です。
下のサイトからの引用です。なるべく山の保存会の話を使うようにしています。
http://www.kyoto-web.com/townnavi-contents/gionmatsuri/hakurakuten.html
http://hakurakuten.hp.infoseek.co.jp/
http://www.marutake-ebisu.com/archives/2005/07/post_72.html

楽天は、白居易とも言います。
この方が、ご存知かもしれません。

白居易50歳の時、杭州知事となって赴任します。
杭州の秦望山に、道林(どうりん)という禅僧がおいででした。
この禅僧は変わり者です。
大きな寺院の住職に付けるほどの位の高い高僧です。

でも、山中に住み、松と松の木に板を張り、その上で坐禅をしておりました。
このため鳥彙(ちょうか)和尚とも言われます。

人生に迷いのある白居易は、この和尚の噂を聞いて、再三自分のところに来るように使者を立てます。
それでも、無視です。
そのため白居易は、この和尚に会うために、自ら出かけました。

白居易は、仏教にも造詣が深く多くを学んでいました。
それで、道林和尚の噂の程を試したくなりました。

「仏法の大意とは何ですか?」
 道林和尚は、
「諸悪莫作 衆善奉行」(悪いことをするな、善いことをしなさい)
答えたのです。

この答えに、白居易は道林和尚を侮(あなど)ったのでしょう。
それほどのことなら、誰でも言えると思ったのに違いありません。

白居易は言う。「そんなことは、三歳の子供でも知っている」と。

道林和尚は、静かに「三歳の子供でも知っているが、八十の老人ですらこれを実行することはむずかしい」と述べます。

座禅をしたまま、一度たりとも白居易を見ることなく、言い放ちます。

白居易も優れた方です。
この深い意味に愕然として、この意味の深きを知ります。
この後、この和尚に師事します。

一切の悪いことをするな、善いことをしなさいということは、簡単なことですが行うのは大変難しいことです。仏の教えの根本かもしれません。


「諸悪莫作 衆善奉行」というのは、もともと「七仏通戒の偈」という仏の言葉にあったものが根本です。

とんちで有名な一休禅師もよく書かれている言葉です。

お茶の資料として有名な『南方録』にも、道林和尚と白居易とのこの逸話が援用されています。
昔の知識人の中では、大変有名な逸話であったようです。

この話をもとに白楽天山があります。
仏の話と逸話という大変難しいものを題材にした、当時の町衆の教養の高さに驚くばかりです。

ささやかな知っている人だけが知る祇園祭の知識です。
華やかさの裏に多くの歴史と伝えたいとする気持があるはずです。
祇園祭りまだまだ続きます。
そっと見守って生きたいです。

こんな京都に出会えたことに感謝したいです。

最後までつたないブログ読んで頂けてありがとさんです。

お礼申し上げます。
梅雨明けした。
体に気を付けてお過ごし下さい。