''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

食べあわせに見る食の変化 天ぷらと鰻

この時期、精のあるものを食べて夏を乗り切ろうとします。
焼肉いいですね。精が付きそうです。でも、夏場と言えば、鰻ですね。
今週は土用の日にあやかって鰻の話が多かったです。
締めくくりに鰻の話です。

鰻と梅干は食いあわせが悪いと昔から言われます。

今では、迷信です。でも、当時は迷信ではありませんでした。

鰻は脂が多くて傷みやすいものです。まして料理屋さんで食べる方はまだまだ少なかった。つまり、家で焼いたり、屋台で焼いたものをテイクアウトしてたんですね。それの方が安いですからね。

しかし、鰻は江戸では一度蒸します。蒸すことによって柔らかくもなりますが、脂が適度に抜けるんです。脂抜きのためにも一度蒸しているんです。
脂っこい鰻は当然傷みやすいです。あぶらが溶けるすると食材も腐りやすいということになります。

腐り始めると、すっぱい臭いがしますよね。味もそうなります。

つまり、梅干のような大変すっぱいものを食べた後に傷みかけている鰻食べても傷んでいることに気づかない。
ですから、鰻と梅干は食いあわせが悪いされていたんです。先人の知恵です。

江戸時代脂っこいものはあまり多くはなかった。特に焼肉なんてものがないのでせいぜい庶民が食べる脂っこいものと言えば代表格は「天ぷら」ぐらいでしょう。それも屋台で売られていたファーストフードと言うようなものです。

これが料理技術の発達と共に蕎麦屋なんかでも出されるようになりました。それも貝柱のかき揚のような天ぷらです。海老天などはもっと後の時代です。蕎麦屋の天ぷらちっと変わっていますよね。だしの中で煮ます。それをそばの上にかける。これが天ぷらそばです。

油もくどかったんです。ですから蕎麦屋では直接食べることはありませんでした。その残りが「天だし」に付けて天ぷら食べるじゃないですか?
あれですよ。
関西人は鰻も蒸さないで直接焼く、ですから、天ぷらも天だしでは頂きません。ソース直接かけて頂きます。もともと関西人は油っこい食事に強いようです。いまでも串カツ・ホルモンと油っこい食事大好きですからね。関西人のコテコテのDNAかもしれません。

今では寿司と言えばトロをイメージしますが、当時の人はトロは食べませんでした。捨てていました。トロ捨てるのに困ったぐらいでしたからね。食ツウの一部が食べたぐらいです。脂が多いと保存が利かないんです。まぐろの赤身は醤油漬けにして保存していました。ですから今でも古いお店にはメニューに「ヅケ」が残っています。

それ以上に食生活が現代人ほど脂に慣れた生活していなかったんです。食べたらお腹壊してしまいます。それに現代のようなアイスやカキ氷と脂っこいもの食べると胃の中で油が固まって消化に軽いです。同じ理由で天ぷらとスイカは食べあわせが悪いです。これは迷信ではありません。

料理屋さんに天ぷらが出るようになるのはもっともっと後の時代です。実は昭和になってからなんです。ビックリですがね。会席料理には油もの(揚げ物)は、もともとなかったです。天ぷらは家庭で作るもので料理屋で食べるものではなかった。それを京都の天婦羅屋「天喜」さんが会席の中に積極的に取り込まれて、いまでは揚げ物は会席の中心的な存在の一つです。

食べあわせからいろんな歴史と食生活の変化を垣間見ることができます。

夏場食中毒多いです。ささやかな注意で防げます。
実は食中毒の一番の現場は家庭です。料理屋さんが営業中止になると新聞で気に留めますが、一番の現場は家庭です。手の傷も怖いですし、冷蔵庫も魔法の箱ではありません。

少しの気遣いで食中毒防げます。
もったいないという気持も捨てる勇気が必要です。

食事を頂ける感謝と同時に身を守ることに注意して、心穏やかにお過ごし下さい。

最後まで読んで下さってありがとさんです。