''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

コショウを振って見えるもの

皆さん、うどんやそばを頂くとき何を入れますか?
大抵は、一味唐辛子や七味唐辛子でしょうね。
京都でも一味や七味で有名なお店もあります。
七味も店ごとに味も香りも変わります。

縁日なんかでも、唐辛子を販売されているのを見たことがありますよね。
最近は少なくなりましたが、その場で辛いのが大目とか、香りが豊かな方がいいとか、オリジナルブレンドを作ってもらうことも出来ます。

その混ぜ合わせる時の口上がなかなか面白いです。
何に効くのか、どういう効能があるのかを説明しながら、きれいに盛り付けて行きます。
後は混ぜるだけですが、パーフォーマンスも兼ねています。

子供の頃、じっと見ていたのを思い出します。
そう言えば、見なくなったような気がしますね。

うどんやそばに風味や味のインパクトに、唐辛子振るのは普通と感じられていますよね。
入れるものと思い込んでいますよね。

江戸時代と言えば、江戸ではそばのイメージがあります。
池波正太郎著『鬼平犯科帳』でも、そば屋で話の展開がよくあります。
当時のそば屋は、食堂でもあり、居酒屋でもあり、喫茶店でもあります。
二階には小さいながらの小部屋があったりとムードたっぷりです。

ちょっと心づけを払って、二階の小部屋で逢引するのも江戸の艶ぽっさがあります。
「友さん」(三味線職人)
「お有」(長唄の師匠の下女。使いを出た隙を見て友三と・・・) 続く。
せいぜい手を握り合うのが関の山でしょうね。

もちろん密談に使われることもあります。
「旦那も悪ですね」(評判の悪い町方同心「小堀新三」)
「同じ穴のムジナよ」(同じく手下の岡引「マムシの辰」、ゆすりネタのもみ消しに「播磨屋伝兵衛」より金3両の賂。そのうち辰には2分金(1/2両)の分け前。ちょっとセコイかも・・・)続く。

勝手な妄想癖がでましたね。コショウをかけて幻想が見えましたね。

話は戻って。
何気に小腹が減ったとそばをたぐる。
かけそばには、ネギが少し乗るぐらいで、何も入っていない。
それでもって一味を振ろうとしますが、どこにも見当たりません。
何か置いてあります。
じゃとこれと勢いよく振る。

「ハクション」(と言っても、大魔王は出てきません。R40)

何じゃ、これは?
そうです。胡椒(こしょう)です。
江戸時代、うどんやそばにはコショウを振っていたのですよ。

当時、唐辛子は高価な貴重品です。
庶民が気楽に無料で使えるようなものではなかったのです。
意外でしょう。(意外ね。意外ね。桜金造タネ。R40)
ですから、時代劇で一味や七味唐辛子振ると、コショウだけに時代考証に反します。
(これはなかなかウマいです。)
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コショウは漢字で書くと胡椒です。

胡という名の国の特産品です。
胡は、野菜の胡瓜(きゅうり)や胡桃(くるみ)、または楽器の胡弓(こきゅう)にも名を残しています。
戦国時代の内モンゴルの周辺を指すようです。西や東に分類されるようです。
後にはペルシャ系民族(ソグド人)を指すようになったとも物の本で知りました。
唐代に当っては、シルクロードを通って、いろんな文化が中国から最果ての日本にまで届いています。

西洋に向けた逆の方角では、当時コショウは銀と同等の価値があり、等価交換されたいたようです。
当時のヨーロッパでは肉の保存が悪いですから、相当匂いがしたと思います。
ですから、肉の臭みを取ることが贅沢だったんでしょうね。

スパイスの発達はこうした食生活に原因があります。
コショウを探す旅が、大航海時代の幕開けの一因であったとも聞きます。
コロンブスも、新大陸にコショウを探しに行ったのかもしれません。

今は何気に使っている胡椒にもこうした歴史がありました。
ありがたいと思って胡椒を振って下さい。
胡椒さんにも感謝です。ありがとさんです。

最後までつまらない話にお付き合い下さいまして、こころよりお礼申し上げます。