''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

鮎を食らう。塩焼き編

夏の暑さも山場を越えた気がします。
今日の朝は窓を開けて寝ていたものですから、風のひんやりした寒さに目が覚めました。
寒いと思ったほどです。

日中は、やはりまだ夏です。
しかし、夏の太陽ではないように思えることもあります。
秋の訪れが少しずつやって来ています。

昨日は鮎が安かったものですから、塩焼きにしてみました。
グリルで焼いただけです。
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鮎は6月~9月が旬です。
そう今が旬です。

私か買い求めるものは特売品の鮎です。
4品で360円です。
もちろん養殖です。
天然ものはとても手に入りません。

鮎を盛り付けるのは難しいです。
黒塗りの盆に、羽を使って塩で川を描く。(和久さんの写真ならよく分かる)
ゴボウを2cmほど切って川の杭をイメージして並べる。
こうして真ん中に鮎をいくつも並べます。

料理屋さんでよくやれる方法です。
涼をイメージ出来て涼しげな気分を味わうことが出来ます。
しかし、家でやるには限界があります。

ということで、水中で泳いでいる鮎をイメージです。
皿から体がはみ出しています。
勢いがあります。(おちゃめな盛り方です。いえ、いちびっているだけです)

皿の下に緑の色がかすかに付いています。
これは蓼酢(たでず)です。

蓼食う虫も好き好きの、蓼です。
苦い葉っぱで、他の虫はたべません。
パンダが笹を、コアラがユウカリを食べるのと同じで生き残って来ました。
競争相手がいない分生きて来れました。
今で言う「隙間(すきま)産業」ですね。

でも、この蓼も鮎の旬の時期だけ食用になります。
河原でも見つけることが出来ます。

それを当たり鉢で当てて酢と合わせる。
蓼酢です。
これがどうも鮎の塩焼きと合います。

鮎は香魚です。
若鮎はスイカの匂いがします。
やはり、私は「香」り好きですね。
もちろん、占うという字が入ってるので、古来この鮎で吉兆を占っていたとも聞きます。

占うという字は、壺のようなものに天、つまり神からの神託を入れる姿を現しているとも聞いたことがあります。
白川静氏の甲骨文字の解説を見たことがあります。その辺の耳学問でしょうね。
すこしあやふやな知識です。

しかし、鮎にはそうした占う要素があったことは事実ですね。
ゲンのいい魚です。

これを食らうのですから、ありがたいことです。
私の愛読書の中に『池波正太郎鬼平料理長』(佐藤隆介編 文春文庫)があります。
鬼平こと長谷川平蔵はなかなかの食通です。
まさしく池波正太郎が食通であったので、小説の中に食事のシーンが多く書かれています。

江戸の時代にあった食事です。
もちろん、鮎も出て来ます。

「伊勢虎」という料理屋です。
目黒名物の筍飯・筍料理が有名です。秋刀魚はないかもしれませんね。
鮎の膾(なます)と酒が運ばれてきます。
それに鮎飯(あゆめし)です。

醤油の薄味をつけた飯がふきあがったところへ、・・・・・尾先から引き出して骨をぬき、飯の中に残った魚肉をかきまぜ、飯茶わんへ盛って出す。(『さむらい松五郎』より)

美味そうですね。
とりあえず、塩焼きです。
何とも品のいい味わいです。

蓼酢の苦味と酸味が鮎の持ち味を殺しません。
醤油やポン酢では味わえない鮎の香りを楽しめます。

皮が美味いですね。
脂が品よく、くどくないです。

鼻に抜ける香り、香ばしい香りです。
そのため少し焦げ目を付けました。

骨と内蔵だけにしましたね。
本来は内臓の苦味も美味いの食らいたいのですが、痛風なので食べれば、明日寝込んでしまいます。

あの苦味は秋刀魚の苦味とは一味違います。
そこは残念です。

旬を食らったという感じですね。
夏の涼を感じます。
一匹ぐらい骨を抜いて、薄口醤油で焚いたご飯と混ぜれば、鮎飯です。

塩焼きは、一気にすべて食べてしまいました。
鮎茶漬けでもよかったかもです。
「アフターフェスティバル」です。
そう、「後の祭り」ですね。

次回の特売日にはやってみましょう。
夏の盛りも過ぎた頃、頂く夏の旬です。
体も心も涼を得ました。

ありがたいと感謝です。
体が資本です。
夏バテしないように夏の旬を食らう。
人間らしい生活だと感じます。
まだまだ夏を食べつくします。

今日も一日元気で無事に過ごせますように祈ります。

最後までお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。