''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

関東煮と暖簾にあり。

ここ数日の冷えみで、冬を思わせる気温です。
秋を飛ばして、一気に冬になったような様相です。
また少し秋の日差しが続くような天気予報でした。
急な冷え込みで山々の木々も濃い秋色になっています。

こうなると口も少し冬モードです。
昨日、おでんをこさえました。
去年もおでんネタありましたね。
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いろいろなものを入れましたね。
蒟蒻(こんにゃく)、竹輪、ごぼ天、豆腐、ジャガイモなどなどです。
時間の加減で、すじ肉は使わなかったです。
鳥の手場元を使いました。

短時間でも、とろとろになりますね。
食べ終えれば、骨だけです。
スープも昆布と鳥ベースの強調です。

おでんは、もともと田楽の豆腐や蒟蒻(こんにゃく)に味噌をつけた、味噌田楽ですね。
その名も踊りの田楽舞、田舞(たまい)に、由来します。
田植えの作業歌や神への豊作を祈る儀式の一つですね。

ちょうど、竹馬に白い服装で舞う姿が、味噌田楽の豆腐の形に似ていますからね。
それがどうしたわけか、「おでん」と言う名前だけが、煮込みもの、それも練り物などを煮込んだ形に変わっていきます。

本来、関西ではおでんと言わずに「かんとうだき」と言いますよね。
字の表記も関東炊や関東焚や関東煮と表現されることが多いです。
しらずしらずに、「おでん」のネーミングに負けてしまいました。
給食にも「おでん」ですからね。

これは多分私の推測ですが、赤塚不二夫氏の漫画『おそ松くん』(おそまつくん)の影響が大きいと思います。
チビ太が串にささったおでんを持っています。
三角が蒟蒻、丸が卵、長方形が竹輪ではないかと思われます。
この辺はあやふやです。

早速ネットで検索です。
このおでんは上からこんにゃく、がんもどき、鳴門巻きと設定されているようですね。
関西にはないネタもありますね。

ちくわぶ」は関西にもありませんし、「すじ」も牛すじではないと聞きます。
おでんは、不思議な食べ物です。
地方地方にそれぞれのおでんがあります。

我が郷里播州では、「かんとうだき」です。
表記も関東煮と、暖簾に染め抜かれています。
紺地の暖簾に、白か赤が多いです。

今、流行の姫路おでん、あれは本当の姫路おでんではないですね。
まず、播州では地の人は、おでんとは言いません。
あんな見場のいいものではないのです。

真っ黒な出汁の中で煮込みます。
それも上等な料理でなく、駄菓子屋の傍らで売られているようなものです。
お好み焼き屋にも置かれています。
そう一杯飲み屋の乗りです。

関東でいう下町の「もんじゃ焼き」みたいなものでしょうかね。
それが「かんとうだき」です。
発音的には、「かんとだき」もしくは「かんとぅだき」というコアな播州弁です。

味といいますと、甘いです。
甘辛いと表現します。
味的にもくどいです。
脂のくどさではありません。

関東煮は、その出汁、つまり汁を捨てません。
鰻屋のタレや焼き鳥屋のタレのように、注ぎ足し注ぎ足して使います。
ですから、真っ黒いのです。

見た目はよくないですね。
ごぼ天も卵も、濃いこげ茶色です。

醤油の産地、龍野にも近いですからね。
それに姫路付近は、徳川の譜代の大名が城主です。
酒井、榊原と三河以来の譜代です。

そのため、茶道にも通じており、そのため菓子の産地でもあります。
(菓子博も行われたくらいですからね)
砂糖も他の地よりは、豊富に使われています。

播州は油菓子の産地でもあります。
かりんとうなどの油菓子です。
もちろん、砂糖をまぶした甘い菓子です。

このした庶民の味の下地があります。
ですから、関東煮も甘いのです。(私見です)

ところが、播州関東煮の特徴は、タレを付けます。
小皿に、醤油とすったしょうがを入れます。
このしょうが醤油に付けて食べます。

これがよく合います。
しょうがの辛さがたまりません。

甘く炊いていても、さっぱりとしています。
これに、ビールや燗酒はよく合います。
もちろん、ご飯にも合いますね。

一杯飲み屋や家で食べるものが、播州関東煮(かんとうだき)です。
この味を時々してみたくなることはあります。
しかし、極普通に煮込んだおでんに、しょうが醤油を付けても、この美味さは伝わらないですね。

甘い目に甘辛く炊いたかんとうだきに付けると最高です。
よく合う食べ方です。
なるほどと感心します。

郷土料理は、地の利、その地の歴史に大きく左右されます。
私の昨日作ったのは、おでんです。
京都に来て、播州関東煮は作ったことがあまりありません。
京都の食文化に感化されたのか、地の利がそうさせたのかですね。

私のこさえたおでんも、私の口には合います。
燗酒にもよく合います。
自分の舌には、「うまい」です。

三回お替りする分こさえて、ワンコイン(500円)という手軽さです。
心も懐も温まりました。

赤塚不二夫氏は言われます。
「これでいいのだ」とね。
悟られたような言葉です。

前にもこの話をしたことがありました。
それでも、いろんなことを含めて、有りの侭(ありのまま)の姿です。
いいことも悪いことに日常あります。

日々の生活の中で、上を見ても下を見ても、仕方はありません。
今ある状況の中で、「よかった」を探すことが、幸せであると感じます。

目線を下げれば、知恵を使えば、小さい幸せは見えてきます。
感謝というメガネを使うとはっきりと見えて来ます。
ありがたいことです。

今日も無事に一日が過せますように、祈りたいです。

最後までお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。