''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

今年も、吉良の殿様は名君です。

今年も残り少なくなりました。
名残惜しいと感じます。
師走というだけに、慌しい日々ですね。

年賀状もまだ作成段階です。
あとはプリントアウトすればいい筈ですが、深夜の帰宅ではままなりません。
去年貰った年賀状の整理と、喪中はがきの整理と、転居はがきの整理と、いろいろと確認作業があります。

24時間では、少し足らないと思える時間です。
それだけ充実していると納得しています。
ありがたいと感謝しています。
まだ、わずかに今年の時間があります。

今日は、今月いや今年初めての忘年会です。
お相手は、あゆあゆのパパです。
学生時代から、四半世紀25年の付き合いです。
年に数回合っています。

今年は5月に蕎麦屋のはしごで記事にしました。
去年も年末にふたばの豆餅、並んで食べましたね。
懐かしいです。
今日はどこへ行くのやら、いつも決めていません。

さて、今月のサブタイトルは、ご存知「忠臣蔵」、「赤穂浪士」です。
絶対に一回は言っておきたいことがあります。
吉良の殿様は名君です。

一方的に「悪」のヒール役になっています。
しかし、名君としての一面もあります。
名門源氏の血筋です。

高家として、典礼だけでなく、教養、茶道、和歌、書と長けている人物です。
名門の家の者が、善人ではありません。
しかし、「金持ち喧嘩せず」といいます。

代々、社会的地位にある方は、争いごとに加わりません。
それを回避できるノウハウはお持ちです。
買い物もバタバタせず、デパートから外商を招き、自宅でゆっくりお買い物です。
一度でいいから、そんな身分になりたいような、なりたくないような気分です。
外商でも、どんな着物や帯、またまた帯留と小物や相手様の好みまで熟知しています。
気に入らないと今回はとお断りもありますからね。

でも、来て頂いた以上、これとこれと、差しさわりない消耗品はお買い上げ下さいます。
手数も気遣いでお返しです。
これも金持ち喧嘩せずの心得です。

まして、当時の身分ある方なら、そうしたイザコザが多いのは世の常です。
先祖が戦をしていたり、一時は主従の関係であったりと、そうした関係も把握しています。
歴史も家の伝えも、他家のそうした関係も、当時の武家の名門なら、存知ています。

この度の勅使・院使の選任も、そうした関係も考慮のはず、ましてその指南役の吉良家と勅使浅野家との関係も、幕府は感知しているはずです。
問題なしの判断で、この度のお役が決定しています。

吉良様の指南にも問題ありとなれば、高家筆頭して地位も懸念されます。
しかし、大名家との縁も強い吉良家に、落ち度はないと思います。
領民を思い、赤毛の馬に乗って、領内を見回ったり、水害に対しての堤を作ったりと、名君ぶりは歴史の中で消されます。

何もかもが闇の中です。
見えない妙の世界です。
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そんな中、池宮彰一郎氏の『その日の吉良上野介』(新潮文庫)は、なかなか面白いです。
あの『四十七人目の浪士』(新潮文庫)を書いたと同じ作家です。

吉良様にとっても、迷惑な話です。
何故、あんな事件になったのか?
話は、ユニークです。

吉良様が、内匠頭にきつく接するのは、お役のため、お勤め大事のためです。
それを、いじめと思い、ひそかに賂(まいない)を求めたと勘違いしたという設定です。

勅使・院使をお迎えする龍の口の伝奏屋敷、三ノ間(開かずの間)でのやり取りです。
茶事に詳しい吉良様に、浅野殿が「目利き」をお願いします。
家の宝です。
こんな時にですよ。

二代将軍秀忠公より、拝領の「交趾の大亀(こうちのおおがめ)」です。
香合(こうごう)です。香を入れる蓋付の容器です。お茶事に使う道具ですね。
色は、黄色っぽい亀の形で、緑、紫、茶などの三彩の釉薬がかかっています。

いろいろな交趾の大亀の名器があります。
一つではありません。
そういう形式の香入れです。

交趾(こうち)とは、もともと中国から持ち込めまれ名器ですね。
それも、交趾(こうち)とはベトナムの北部を示すようです。
色鮮やかな焼き物です。
茶碗にも、小鉢にも使われます。

黄色が多いです。
次に紫もありますね。
これだけでは、一目見ただけでは、百均の器に思えます。
交趾の器を百均のようなと言うのは、私ぐらいのおろかものだけですね。

本物の交趾の器を見ると全く違うものです。
でも、大変似ています。
目利きがないといけません。

浅野殿は、吉良様に「目利き」と称して、貰ってもらいたいと願い出ます。
吉良様は思いました。
「そんなつもりではない。何か勘違いしています。賄賂を求めて厳しく接しているのではない」

そんな気持ちから、辞退を申し出ます。
当然です。

賄賂欲しさに厳しく接しているのでありません。
お役目大事のためです。
浅野殿、モノが欲しいと勘違いしては困ります。
ですから、受け取りません。

源氏の血筋です。
そんな卑怯なことはしません。
ここで押して引いての問答です。
浅野殿が提案です。

「この三ノ間の天袋(物入れ)に置いておきます。気が変わられたら、お持ち帰り下さい」
ということですね。
事件数日前11日の出来事です。

浅野殿は、それから後に確認して来られています。
「当家の家宝で足りぬと申すか、とれほどに強欲な上野め・・・」
いえいえ、浅野様、勘違いです。
賄賂を貰う謂れはないです。
ですから、お受けしていないのです。
勘違いです。

そんな話ですね。
これじゃ、浅野様の勘違いに始まり、勘違いに終わった松之廊下の浅野事件です。

なんでこうなったのか、合点の行かない吉良の殿様です。
その疑問のままに、黄泉へ旅立ちです。
「未だに分からないままです」

吉良様は、名君です。
名誉を伝えることも必要です。
正式な理由が分からない以上、「悪」するのは納得出来ません。

播州生まれの播州育ち、吉良を「悪」と思って育ちました。
でも、そうではないのではないのでしょうかと疑問が生まれます。
長い言い回しですね。

関西風に「ちゃんちゃう」と短くまとめます。
そんな風に広く物事を知りえたのは「ありがたい」ことです。
日々の生活に勘違いは付き物です。

いろんな勘違いの中に住んでいます。
それも日常です。

今日も平穏無事に暮らせることを祈ります。

最後まで、勘違い男にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。