''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

鐵斎にも、筆の誤り。

空海こと、弘法大師と言えば、三筆と言われる書の達人です。
三筆とは、9世紀頃に活躍した空海(くうかい)・嵯峨天皇(さがてんのう)・橘逸勢(たちばなのはやなり)の3人を指します。
書道や歴史の時間に学校で習いました。

弘法大師と言えば、お遍路なんかで有名な四国の出身ですね。
NHKの朝の連続小説『ウェルかめ』でも遍路宿がその舞台でもあります。

多くが弘法大師の威徳にすがったり、学んだりと1200年の時越えて、宗教的精神的支柱にされています。
それで居て、宗教的にも政治的にも学者としても、天才です。

天才という言葉だけで片付けられないほどの努力者でもあります。
人が10年かかることを1年いや、数ヶ月で会得されています。
一日睡眠時間、2、3時間ほどでしかなかったのではないかと思われます。
精神的にも、強かったと推察されます。

この有史上の大天才に、書まで、達人として力を天が授けます。
これを称して、「弘法にも、筆の誤り」と言う言葉があります。
そうした逸話も過去の記事で書き記したこともあります。

人間としての空海もあって然りです。
人であるが故に、字も誤ることもあります。
そんな時、「あー」と言ってしまわないのが、天才の天才たる所以です。

そんな天才の文画家がいます。
私の好きな鐵斎です。富岡鐵斎です。
先日の古本で見つけました。

鐵斎の「鐵」を「鉄」とした書物を見かけます。
しかし、一度として、鐵斎は「鉄斎」とは書いていません。
略字なら「銕斎」とすべき、この本で解説されています。
知らないことでした。(勉強になります)
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海内景勝展図録です。京都の思文閣の出版です。
パンフレットのようなものです。
北海道の羊蹄山から、鹿児島の開聞岳まで、海から見る風景が描かれています。
その数47作品です。

残念なのは、写真が白黒ですね。
色合いは横に書かれていますので、想像による着色です。

素晴らしい作品の数々です。
この本も100円でゲットです。
解説も楽しめます。

そんな中に、18相模足柄山があります。
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中国の黄山を思い浮かべるような高い山です。
日本昔話で出てくるような峠道です。
茶と緑の色合いで描かれています。

「あれー」何か変です。
「相模」(さがみ)が「相撲」(すもう)になっています。
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これじゃ相撲足柄山です。
♪東、足柄~山 足柄~山
と呼び出しがかかります。
呼び出しの背中のハッピには「なとり」と書かれていますよね。

そうです。
間違いです。
書き間違いです。

解説によれば、鐵斎には書き間違いや誤字、脱字、あて字がすこぶる多いとの事です。
初めてみました。
でも、絵の出来には左右されません。

「鐵斎にも筆の誤り」
でも、気にはされずに、豪快に笑い飛ばされるでしょうね。
鐵斎は、神官ですね。
精神的にも、宗教的にも、自我の世界を持っておられると思います。

失敗を失敗と感じず、それを楽しむことさえ出来る方ですね。
そういう生き方もいいです。
そう考えたら幸せですよね。

失敗も失敗として楽しいです。
自分に勇気付けられる作品です。
気持ちは持ちようです。

今あることに感謝して、今あることに楽しみと喜びを見つけることは、ありがたいです。
そして、幸せです。
ささやかなことに、幸せを見つけられることは、素晴らしいです。

今日も雨降りの一日、心の洗濯と体もゆっくり休められると思えば、それもまた楽しいです。
さりとて、今日も仕事があるのが現実です。
仕事があるのは、ありがたいと感じます。
今あること、今やるべきこと、必要とされていると自覚しています。

最後まで、ごじ(誤字)つけたような話にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。