''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

鰤の塩焼きと、ふぐのヒレ酒で乾杯より。

秋風よ。
そんな問いかけの趣ある季節になりましたね。
なぜか、ほんのりセンチミリミリの心の感情が、あります。

今日は、日曜ながら、オフィスの仕事が入りました。
ほぼ一日の仕事になりましたが、先様には何とか喜んで頂けた事も思っています。
明日も仕事です。
来週は、仕事が金曜まで目一杯入っています。
ありがたい事です。

昨日は、軽めの晩酌をしました。
肴は、鰤の塩焼きです。
もちろん、アロマっ子さんに頂いたすだちを、添えましたね。
少し塩の当りも強い目にしました。
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脂も乗っています。
グリルで焼いた魚は、周りはかりっと、中身はジュウーシィーです。
ここにすだちの酸味が、鰤の脂の甘みと溶け合っても、ここに鰤の身の解けたような旨味、これらが三位一体となって、口中に、鼻腔に、焼き魚の香りと旨味のハーモニーを奏でます。

魚臭くはないですね。
いい鰤が頂けました。
脂のある魚は、柑橘系の酸味がよく合いますね。
やはり、三位一体とはよく言ったものです。(ここしか、笑うとこないですよ。ねぇー、とおるちゃん!!)
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迎え撃つのは、燗酒です。
それも、「春帆楼」のふくのひれ酒です。
濁点のない「ふく」です。
河豚(ふぐ)は、幸福の「ふく」に通じるゲンのいい魚です。

鰤も出世魚です。
ゲンのいい魚の競演です。
酒宴なので、饗宴と言った方がいいかもですね。

ヒレ酒は美味いですね。
今里の「樽」のヒレ酒には、到底適いませんけどね。
家なら、黄桜から出ているこの「春帆楼」のふくのひれ酒(380円)で充分です。
アルコール分も、16度と高い目です。
これに、継酒もします。

ふぐと言えば、吉朝さんの「ふぐ鍋」が、聞きたくなります。
ユーチューブでも、見つけることが出来ました。
よく聞きます。

それにふぐと言えば、やはり、落語の「らくだ」(上方では「らくだの葬れん」)のらくだも、ふぐに当ってこの世を去ったことになります。
やはり、飛び道具の鉄砲ですね。
弾に当ったら、一たまりもありません。

この「らくだ」も六代目松鶴と、松之助の「らくだ」は全くの別の噺になっていまいね。
同じ笑福亭でも、違うのですね。
共に五代目の松鶴の弟子です。
これには、驚くことがあります。

松鶴師匠の方では、前日日本橋で、ふぐを手にしたらくだと逢った下りがあります。
その上、何でもらくだの長屋にも、来ている様子です。
それに比べて、松之助師匠のは、初めてらくだの長屋に訪ねるシーンから、始まります。
兄貴分でも大夫違います。
松之助師匠の死人のらくだのカンカン能は、一見の価値ありの芸です。

松鶴師匠の方が、古い形の上方が残っています。
今では、繁華街になった千日前に、かつて焼き場(火屋)があった頃の幕末の雰囲気が残っています。
デパート火災事件でも、何か因縁めいたものを感じます。

それをオチのらくだの亡骸を「火屋」持って行くのと、とお酒の「冷」にかけたのも、少し不気味な気がします。
繁華街には、時にこうした悲しい負の歴史もつき物です。
土地の有効活用には、いろいろとありますからね。

それだけ生き死にが身近な時代とも言えます。
生き死にと言えば、人だけではありません。
講談定席・日本料理・本牧亭 2011年9月24日(土)閉店と聞きます。
150年の歴史に幕を引きます。

一度くらい行ってみたかったです。
講談といえば、講釈師見てきたような○○と言うのがあるくらい、人を引き付けます。
リズミカルな音の中に、戦国武将の合戦ものは、いいですね。
特に、人情のある武士や妻子の話に、涙します。

話芸の極みでもありますね。
同じ話芸でも、落語は何年かに大きなブームが来て、人気がありますからね。
講談、浪曲は、話が難しいと感じるのでしょうかね。
人と人の人情の機微は、物悲しい三味線の音色に合います。

その分、現代に人間の情が薄くなったような気もしますね。
人の気持ちが、分からない人も多くなりました。
社会としては、住み難くなったと言う事ですね。

講談や落語の長屋の暮らしにこそ、ささやかな喜びも悲しみもあったと言えます。
昭和が、まだまだ懐かしいです。

出世に長屋と来れば、白石一郎氏の「出世長屋」と言う小説を思い出します。
ご存知「十時半睡事件帖」(講談社文庫)です。
NHKでもやっていましたね。
楽しみにしていました。

主人公の「十時半睡(ととき はんすい)」は、知恵と人情に富み、藩内の奉行職を歴任した後に、六十二歳で引退した老武士である。
その隠居の身で、江戸総目付として、最後のご奉公でしょうね。

常に、人を生かす術を心得て居られた。
時に不可解な事件の終わり方もすることもありました。
それも、人を生かす術です。

その主人公の十時半睡を名優・島田正吾が演じます。
言葉の間という最高の演技がありました。
知恵と人情、まさしく現代の十時半睡と重なります。
今一度見てみたいです。

NHKのオンデマンドで出会える日を楽しみにしています。

折りしも、この「十時半睡事件帖」の中に、「庖丁ざむらい」と言う当時ご法度のふぐ調理の話があります。
どこまでも、ふぐに繋がります。
いえいえ、幸福のふくですね。

またふぐが食べたくなりましたね。
ヒレ酒で我慢です。
昨日の鰤も美味かったです。
出世に縁ない私には、とどのつまり、とんだオチになりました。

寄席なら、こんな話なら、木戸銭は取れませんね。
寄席に入る時に、木戸銭がいくらか尋ねないといけません。
もちろん、「はまち?」(ハウマッチ)ですよね。(笑)
(今日は、ここしか笑えませんね。ねぇー、とおるちゃん!!)

鰤の塩焼きと、ひれ酒の燗酒に、酔いしれます。
秋の夜長を、手酌酒にて、晩酌タイムに至福を感じます。
ありがたいです。

私は、ありがたい仏縁を頂けています。
何気ない日常の暮らしの中に、ささやかな「福」を見つけます。
花を見て、月を見て、旬を食らいて、酒を呑む。
まさしく、極楽です。

道は近きにありですね。
この道を進めば、そこは長安に繋がっています。
今日も一歩一歩、歩むだけです。

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らしたいです。

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、尾ひれの付いた話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。