''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

「王子の狐」と扇屋の玉子焼から始まる物語 より。

先日来、落語の話を時々お題にしています。
1997年の第6号『サライ』を、久しぶりに読み返す機会を得ました。

落語に出てくる料理さんがあるのはよくありますね。
『百川』みたいに、CM兼ねて作った噺もあります。
それは別にして、時々江戸落語に出てくる老舗の料理は気になります。

サライの特集にある「落語の味は老舗の味」の中、五代目古今亭志ん生の「王子の狐」が記事になっています。

話は、ある男(熊さん)が王子近くで、狐が知り合いの若い娘(お玉ちゃん)に化けるのを見かけた。
これ幸いと、狐を化かしてやろうと悪い算段です。
お玉ちゃん声をかけて、料理屋「扇屋」の二階上がりこみます。

扇屋では、天ぷらをや刺身など、ごちそうと酒をたらふく呑んで、作戦実行です。
酔いつぶれお玉ちゃん(狐)は、寝込んでしまいます。
熊さんは、玉子焼のお土産をもらって、そのままドロンと先に帰ってします。

後の残った狐は、お店の人に痛い目に合わされます。
その後意外な方向に、話は進みます・・・・・・・。

「ドロン」(両手も添えてね)も昭和の死後です。
映画『モテキ』の長澤まさみさんがやると、これまた可愛いです。
あの演技にくらくらします。
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落語「王子の狐」は、王子稲荷神社門前にある扇屋が、話の舞台です。
そこの名物と言えば、直径24センチの大きな玉子焼です。
もたろん、食べたことはありませんが、テレビでその作り方は知っています。

鍋の蓋の上にも、炭火を置いて、上下から焼きます。
ちょっど、ダッチオーブンみたいなものです。

焼きまでに最低でも40分かかるようです。
店の家訓で「当主自ら焼くべし」と、それを実行されているみたいです。
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土産の折には、狐の絵が書かれています。
何でも、狸の絵で有名な五代目柳家小さん師匠の狐の絵があるというから、これは驚きですね。

王子の狐は、演技のいる話のようで、大看板の師匠たちの話が多いように思えます。
残念ながら、五代目古今亭志ん生の「王子の狐」は聞いたことがないです。
五代目古今亭志ん生も、昭和の名人ですね。
落語が、戦後一番華やかな時代だったかもしれないです。

老舗には、老舗の味があります。
そこでしか食べられない味があるから、通うわけです。

京都にも、百年以上つづく老舗があります。
特に菓子処は、多いです。
その店しかない味を、実感することが多いです。

そんな中、そばで有名な尾張屋などは、寛正六年(西暦1465年・応仁の乱の前年)に、菓子司として始まり次第に、そば処としても今も続いています。
あそこのそばは、うまいと思います。
550年近く続く老舗中の老舗です。

狐と言えば、家の近くの伏見稲荷大社が有名です。
壮大な稲荷山、すべてに神社が数万社ありますね。
東山三十六峰の最後の殿(しんがり)の山です。

本当に霊山です。
本当に、夜になると、稲荷山の息吹を感じます。

稲荷山の四ツ辻あたりから見た風景は、京都市内の南部がよく見えます。
今度の休みでも、ぶらりと散策に出かけたくなりました。
何だか、いなり寿司が食べたくなりましたね。
あの甘辛い味付けは、他にない味わいです。

京都のそば屋には、大抵「甘きつね」と呼ばれる「きつねうどん」か「きつねそば」があります。
とってもシューシーな甘辛い揚げさんが、デンと上に乗っています。
普通のきつねうどんとやそばと違い、独特の味わいです。

また、そば屋に行きたくなりましたね。
行けば、池波正太郎氏の金言は守ります。
「呑まぬくらいなら、蕎麦屋にはいらない」
なかなか、粋な言葉です。

私も、「親父、いつもの志っぽくそばと暑いの1本」と粋に注文してみたいです。
なかなか出来ません。
「えー、燗?」
夏場には、向かない注文です。

「冷で結構です」
これで出てくるのは、大抵「冷酒」です。
冷と言えば、常温のお酒ですよね。

「冷」(ひや)も今では、昭和の死後になりつつあります。
残念です。
そんな時はドロンしたくります。(手も添えてね)

日々の暮らしの中、ささやかな幸せがあります。
ありがたいことに、私は仏縁を頂けています。
ありがたいと感謝しています。

心の三毒を廃し、心静かなに安穏に暮らしたいです。

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、テクシー使ったような長い話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。