''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

相生楼での、ささやかな宴を行いました より。

結婚報告の内容から一日が経ちました。
朝からの日差しも、穏やかです。
いい天気の予感です。
今日は、建国記念日でしたね。

我が家もささやかな家族が出来たと言う意味では、似たようなものになります。
式の後、両家の家族だけで、ささやかな食事の宴を開きました。

父も傘寿の80歳を超え、母ももうすぐ74歳になります。
60歳の若い頃なら、披露の宴もする気力があったのでしょうが、この年では無理です。
披露の宴が、疲労の厭になりそうです。

とは言え、私に甲斐性がないのが、その最大の原因でしょうね。
お恥ずかしいです。
恥ずかしながらと、よっこい庄一状態です。(手は縦の敬礼で!!)

最近は、「ナシ婚」が流行っています。
「ジミ婚」の上の「ナシ婚」です。
地味な式さえしない、結婚式のナシの「ナシ婚」です。

一応、男ですから、妻にはそれなりの形が必要です。
ささやかながら、花嫁衣装を繕う事が出来ました。
それなりに、費用もかかりますが、特に贅沢なオプションを選択しなければ、形になります。

ただ披露宴となると、これまたいろいろと費用だけでなく、エネルギーが必要となります。
式をするだけでも、いろいろの打ち合わせがあります。
披露宴をするとなると、式だけの10倍の時間が必要になると思います。
招待する方の人数やら、席順やら、挨拶順番など、上下の位置づけが難しいでしょうね。
それに引き出物の洗濯やら、披露宴の進行など、多岐に亘ります。

それらを、すべてひっくるめて、エイヤッーとなると、ほんに家族の宴になりました。
両家合わせて、両手で納まる少人数です。

もちろん、居酒屋でと言う訳には行きません。
宴の場所は、偉大なノーベル賞作家の川端康成のご生家と言う歴史のある料理屋さん相生楼で開催しました。
外観から見ると、敷居が高いと言われるような料亭の作りです。

すでに部屋には、金屏風やら立派な屏風があしらってある和室です。
その中に、テーブル席でセッテングされています。
足の悪い母には、安心の様子でしたね。

床の間には、祝いの篆書で書かれた漢詩の軸が飾られて、格調高い感じがします。
遠目に見える信楽備前風の素朴な自然釉薬の花入れが置かれ、黄色の花が一種さえられていて、金屏風の金と、部屋の落ち着いた雰囲気が、マッチしておりました。
さすが老舗の趣です。
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いざ料理となると、うーん、手の入ったものですね。
遅い目の昼を兼ねますので、豪華な松華堂ベースです。
ここにも、蓋付きの黒塗りの椀に盛られた赤飯と、朱と金箔の市松模様の祝いの蛤椀が付きます。
見た目も、なかなか豪勢です。
いざ食べると、大食漢の私でも、十二分の量です。

ホテルや結婚式場の形ばかりの祝いの食事に比べれば、私達には贅沢過ぎる祝いの宴の料理でしたね。
左上の造りも、中トロ、イカ、そして、松皮作りに霜降った鯛の刺身です。
芸が細かいです。
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私の一番気に行ったのは、右上の揚げ物と紅白の蒲鉾の上に盛られた出汁巻きでしたね。
焼いて細かく刻んだ鰻でしょうかね、入っていましたね。
変わり種のう巻、この一番の美味さでしたね。

私の作る出汁巻きとは、やはり違います。
自分の作る出しの効いた出汁巻きも美味いと思いますが、品がいい分、こちらの方が上ですね。
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一番すごいのは、やはり見えない所です。
蛤の椀に、金時人参で作られた型抜きされた亀と大根で作られた鶴でしょうかね。
芸の細かさに、脱帽です。
技に奢らず、食材に奢らず、これこそ、ある意味本当のご馳走でしょうね。
名店にして、名料理だったと思います。

その為か、食べている最中はこれと言った会話もなく、黙々と食べる宴でしたね。
昭和の披露宴には、欠かせない新婦の友人が歌う『てんとう虫のサンバ』は、宴の雰囲気を和ませたモノです。

私達には、中島みゆきさんの『糸』が、ぴったしの雰囲気かもしれません。
縦の糸と横の糸、紡いだ布がいろんなものを温めます。
いえいえ、得るかもと言うのが、歌詞の世界です。

ささやかな宴ながら、心にも胃袋にも届いたありがたいご馳走です。
相生楼の方々、心よりお礼申し上げます。

日々の暮らしの中、感謝して暮させてもらっています。
ありがたいです。
心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮したいです。

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、ダイナマイト級の美味さ料理の話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。