蛸壺やはかなき夢を夏の月 芭蕉
手に取るな やはり野に置け 蓮華草 滝野瓢水
さればとて石にふとんも着せられず
浜までは 海女も蓑着る 時雨かな
上ミ京の花菜漬屋に嫁入りし 虚子
冷奴隣に灯し先んじて 石田波郷
ルンペンに土用鰻香風(どようまんこう)まかせ 平畑静塔
牛鍋や妻子の後のわれ独り 石田波郷
水割りの水にミモザの花しづく 草間時彦
主客酒豪春橙の下皿鉢あり 松本たかし
春すでにてんぷら蕎麦を待つ間かな 草間時彦
花吹雪天守閣には近づけず 八星(はっせい)
河豚汁や鯛もあるのに無分別 芭蕉
五十にて鰒の味を知る夜かな 一茶
ふぐ食わぬ奴にはみせな富士の山 一茶
年の瀬や河豚を囲みてえびす顔 生會(かんとうしょうえ)
草の戸の残暑といふもきのふけふ 虚子
たとふれば独楽のはぢける如くなり 虚子
赤い椿白い椿と落ちにけり 河東碧梧桐 (かわひがし へきごとう)
酢米や白きがうへの夜の露 河東碧梧桐
郷里の松山鮓(もぶり鮓)というのがお好きだったようで、3句ほどあるようです。
ふるさとや親すこやかに鮓の味(明治28年)
われに法あり君をもてなすもぶり鮓(明治29年)
河豚汁や 鯛もあるのに 無分別 芭蕉
河豚食わぬ 奴には見せな 不二(富士)の山 一茶
お茶に富士 追分ようかん あらうれし 友蔵心の俳句
花吹雪天守閣には近づけず 八星(はっせい)