原産地が中国西部・中央アジアです。
日本では、奈良時代から食べられていました。
古名は「き」といいます。匂いがくさい。
これを表す言葉であり、地下に生えている、つまり根のキがネギらしいです。
別名「ひともじぐさ」ともいいます。
女房ことばです。
女房ことばとは、江戸時代なんか庶民のおかみさんが使っていた女言葉です。
今でもその名残がいっぱいあります。
鍋の残りにご飯を入れる。
雑炊と言うのが関西は多いですが、これを関東は「おじや」と呼ぶことがあります。
これは鍋にご飯を入れて煮詰まると「じゃじゃ」と音がしてきます。
これに親しみをもって「おじや」とよびます。
これに「お」は、かみさん同士が、「おせん」さんとか「お妙」さんとか呼ぶようなもんです。
現代の女房ことばなら、「チン」してというところでしょうかね。
「お」は付けないで下さい。
落語の「たらちね」に出て来ます。
滅茶苦茶育ちのいい嫁が長屋の職人に嫁いでくる話です。
「あらー、我が君―」と起しに来ます。
長屋に物売りがやって来て味噌汁作るのにネギを買いたいがいいのか尋ねに来ます。
ネギぐらい勝手に買えと言いたいぐらいですね。
この対比が滑稽(こっけい)です。
それほど有名な野菜です。俳句にも多く登場します。
「嫁もはや 所帯じみたり 根深汁」 横井也有(やゆう)
根深汁はネギの入った味噌汁です。
どうも庶民とは切り離せないらしいです。
でも、味噌汁にネギがないと許せません。
うどんにもラーメンにも入ってないと、なんだか美味しく感じません。
関西は青ネギ、関東は白ネギが好まれます。
京都はやっぱり九条ネギですかね。
いっぱい入れると美味しいです。精も付きます。
[http://blogs.yahoo.co.jp/kantoshoue/6803095.html 五葷(ごくん)]に入ってるくらいです。格調高いです。
でも4月5月は本当の旬ではありません。
でも、冷奴や温奴にネギと生姜は必要です。
焼き鳥ならやっぱり、「ねぎま」食べます。
ねぎと鳥のハーモニーがいいです。
それにきらくに食べられるじゃないですか。
家でやるなら鍋です。
春でも、鮪(まぐろ)の安いときは、「ねぎま」鍋です。
わたしは、切り落とし部分を使います。もっとも安いのでたっぷり食べられます。
すじのところも煮るので大丈夫です。
水か出汁(だし)に醤油に酒、砂糖とみりん、基本的なもので味付けます。
私は甘い目にはしません。あっさりに仕上げます。
好みが分かれるところです。
失敗はしません。一度挑戦してください。
注意事項
魚ですから出汁が煮立ってから入れてください。
冷たいままだと生臭いです。それに生姜のスライスもいれると匂いとれます。
すりおろしていれると出汁がにごって見ためがわるいです。
スライス食べるときは取り出して下さいね
出汁(だし)も使うなら昆布だしにして下さい。
カツオやいりこでは味が濁ります。
まぐろからいい出汁でます。
あとはネギです。
関西なので青ネギも使いますが、煮込みを考えるなら白ネギの方が出汁を吸いますし甘く感じます。
どちらでもかまいません。
青ネギの場合は7~8センチに切って、まぐろが煮てきると食べる分だけ最後に入れて、くったりしてくれば、さっと引き上げます。
入れた分の10の1ぐらいになってしまいます。
薬味みたいに刻んで入れるとネギの味と食感が楽しめません。
寒いときネギの「あん」が入るとろやると格別です。
「あん」ご存知ですか?
ネギの中にあるとろっとした透明の液体です。
ねばねばしますが、体にもいいですよ。
年中、まぐろの特売日に楽しめます。
味も濃い目薄い目と作り手によって変わります。
食は人として欠かすことの出来ない修行です。
好きなものばかりでなくバランス必要です。
きらいなものも工夫して、それなりに頂く努力が必要です。
おねぎ様に今日も「感謝」です。
いやなこと多いですが、美味しいもの食べて忘れましょう。
今日も穏やかに過ごせますことに「感謝」です。