''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

東山紀行 今熊野(いまくまの)より (下)

昨日に続いて今熊野からです。

今日は、新熊野神社(いまくまのじんじゃ)さんに因んだ話です。
熊野と言えば、神聖の八咫烏(やたがらす、やたのからす)です。
足が三本のカラスさまです。

三本の足は、御神徳「智」「仁」「勇」の三徳であるとも、 また、「天」「地」「人」を表すとも言われている。(出典: フリー百科事典『ウィキペディアWikipedia)』参照)

ワールドカップといい、日本のサッカーのシンボルにもなっていますので、ご存知の方も多いですよね。
あのヤタガラスさんがこの神社のシンボルでもあります。
イメージ 1

この神社の絵馬ももちろんヤタガラスさんです。
霊験新たか気持ちになります。
大変格式の高い神社さんです。

古来、この神社は「梛(なぎ)の宮」と呼ばれていたようです。
梛(なぎ)は、縁結びの樹、夫婦円満の目出度い樹と言われているようです。

イメージ 2


藤原定家卿の和歌に

「千早振る遠つ神代の梛の葉を 切りに切りても祓(はら)いつるかな」

と呼ばれるように「なぎはらう」に縁がある平和と幸福をもたらす樹という意味があれようです。(神社説明書きより)

この境内には浩宮様、現皇太子様が二十歳の記念に植樹されたお手植えの木があります。
このまま行けば、今上の宮のお手植えという事になりますね。
その木の前に立って歴史を思ってみます。

大楠もこのようにして後白河上皇がお手植えされて、今日の大木に育っています。
昭和のお手植えの木も後世に口伝となりましょうかね。
感慨深いです。

イメージ 3

この神社もう一つのことでも有名です。
なんと書いてあるのか分かりにくいですが、「能」と書いてあります。
この地が「能」の発祥の地と言っても言い過ぎではないです。
観阿弥世阿弥が三代将軍足利義満公の前で始めて能を舞ったのがこの地ということになっています。

当時はまだ猿楽といわれる踊りです。
そのとき藤若丸とその父観世清次の猿楽を見てその至芸に感動されて、同朋衆(話相手)に加えられ、それぞれ名前を世阿弥観阿弥と名乗られました。

イメージ 4

単なる猿楽として踊りを芸術として、後世の芸能として高めた功績は偉大です。
それを単なる見世物から芸術として才を見つけた義満公も偉大な人物です。

義満公と言えば、あのアニメ「一休さん」に新右衛門さんとよく登場しますね。
子供の頃見ていましたよ。
新右衛門さんも歴史上人物です。
蜷川新右衛門親当(にながわしんえもんちかまさ)がその人です。

この方の子孫が格闘家の武蔵さんとも聞きました。
でもアニメに出るような人物とは違います。
もちろん、義満公もあのような人物とは違うと思いますね。

しかし、室町幕府の事は、正確にはよく分かっていないのです。
応仁の乱で京の町は壊滅状態でしたからね。
どこに政務する役所があったのかさえはっきりしていません。

京都に、室町通りというのがあります。北南に延びる通りです。
それに政務する場所があった事に名前の由来があります。
第12代将軍の足利義晴の頃には、同志社大学寒梅館付近にあったようです。
時代と共に場所も移動しているようです。

観阿弥世阿弥の話も今までしたこともあります。
「秘する花」という項目で紹介しました。

芸事の極意というのは、隠すことにより、極意になると世阿弥は申します。
それに比べて、利休居士は茶の湯に、「秘する花」はないと言われます。

道の両極を究めて聖人の言葉です。
人としての極意が全く逆の結末です。

この辺は仏の世界と似ています。
待機説法(たいきせっぽう)ですね。

人によって諭し方も違えば、教える手段も違う。
一人一人の個の立場に立って法を説かれます。

決まりきったマニュアルでなく、一つ一つを見つける方法ですね。
それでも尊い悟りの境地に達する事は出来ます。

現代は個の時代、一括(ひとくく)りでなく、個性の時代です。
現代にも通じます。
道を究めた人物が、その果てに見たものとはどんなものでしょうね。
興味があります。

その上で、日々の生活をどう捉えるのか?
利休居士の「一期一会」の精神とは?

毎日が特別、一瞬一瞬が特別の世界に誘(いざな)って頂けるような心持ちです。
凡夫の私は、それだけ精神が強靭ではありません。

これだけの内容豊富な神社は、京都にはたくさんあります。
しかし、街中にひっそりとした神社がここにあります。
日本の歴史の中で影響があったようにも感じます。

その歴史をこの大樟はじっと見守って来ました。
感慨深いです。
その前の縁台に腰掛けて、歴史の声に耳をすませます。

今ここに私が座っているのも神々のご縁です。
ありがたいと感謝の気持ちでいっぱいです。

最後まで長々お付き合い下さいましてありがとさんです。
こころよりお礼申し上げます。