''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

一福のしっぽくそば

町の定食屋さんです。
学生時代からよく行ったお店です。
先日、あゆあゆのパパと昼餉を共にしました。

京都に仕事で来ていました。
あゆあゆのパパとは学生時代から、はや四半世紀、25年ほどの付き合いです。
この店にも何度も来たと思うのですが、彼にはそれほど印象がなかったようです。

私もこの店に来て、定食以外を食べたのは初めてです。
しっぽくそばです。
味は至って普通です。
彩りに写真を撮りました。
イメージ 1

かまぼこ、錦糸玉子、ほうれん草、湯葉と色んなものが入っています。
私の場合、しっぽくそばをよく食べます。
しっぽくとは、卓袱と漢字で書きます。

卓袱料理というと、長崎市を発祥の料理で、大皿に盛られたコース料理を、円卓を囲んで味わう形式をもつ。
卓袱の語源は不詳だということですが、中国語で「卓」はテーブル、「袱」はクロスの意味(袱紗など)と解説されています。

また、大正期から一般的になる小型の食卓「卓袱台(ちゃぶだい)」の語源となったと聞くと親しみもありますね。

テレビドラマ『寺内貫太郎一家』なんかでは、必ず卓袱台ひっくり返していましたからね。
それに京都宇治の黄檗宗隠元禅師に始まる普茶料理または普茶卓袱も同じ語源に由来するようです。(『ウィキペディアWikipedia)』参照)

ご馳走、おもてなしと言う意味もあるようです。
私的には、「にぎやかなおかず」を乗せたと捉えます。
私のブログにも、このしっぽくそばもよく紹介させてもらっています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kantoshoue/21535181.html

これに熱燗は付き物です。
この日は、平日の昼間ということも、そばだけです。

京都以外では、あまり見かけたことがないです。
しっぽくと平仮名表記もお決まりですね。

京都で「たぬき」というと、あんかけでショウガを乗せたうどんですね。
そばでもやれますが、うどんが多いです。
熱くて食べられないので、そばなら麺が伸びてしまいます。

もちろん、ごく普通の天カスたぬきそばや、刻みあげの入ったたぬきそばも、そういう風いうと出て来ます。
でも、舌代に書いてあるたぬきは、「あんかけショウガを乗せたうどん」ですね。
分かったネーミングも多いです。

「源平」と言われたら分かりますかね。
だいぶとマニヤックです。
ざるそばとざるうどんの盛り合わせです。

源平紅白の旗のように、そばとうどんを見立てています。
それで「源平」です。
舌代(メニュー)に上がっていながら、一度も食べたことがないうどんやそばが幾つもあります。

しっぽくというと三種の神器が、「かまぼこ」「玉子焼き」「どんこ(シイタケ)の煮つけ」です。
この辺、「幕の内弁当」の三種の神器と煮ていますね。
こちらは、「かまぼこ」「玉子焼き」の他に「焼き魚」が入ります。

ですが、しっぽくには、この三種のほかに、かしわ(鶏肉)や麩や青味が入ります。
青味は、みつば、ほうれん草、壬生菜や水菜が多いですね。
少し甘い目に煮付けたどんこ(シイタケ)が、他の食材と交じり合わないですね。
残念ながら、一福では入っていなかったですね。

どんこの煮付けは味の奥が深いです。
干しシイタケの戻し汁にも旨みがありますね。
おかずの美味さ、味の深みとそれぞれの味のコラボ、ここにそばの風味と味が、幾層にも重なり合います。

出汁の風味と深い味が、心から魅了される。
それがしっぽくです。

あゆあゆのパパとは、年に数回あっては、ぞは屋廻りをしています。
5月にも二人して、だめだめそば屋に入ってしまいました。
口直しに聖護院の河道屋に行った下りは紹介しています。
http://blogs.yahoo.co.jp/kantoshoue/26798119.html
二人してよく行った祇園の「権兵衛」も店を閉じたと聞きます。
正当なそば屋が少なくなって来ました。

その中でも「しっぽく」ほど店の味を出せるモノは少ないです。
玉焼きの焼き加減、どんこの煮付けの煮付け加減、かしわ(鶏肉)の火の通しようと、簡単ながら難しいです。

それに料理としての盛り付けの妙があります。
まさしくどんぶり鉢がキャンパスです。
料理人の彩りのセンスが問われます。

季節感も必要です。
季節季節に寄って違うしっぽくがあるはずです。
それも楽しみですね。

それがしっぽくをよく食べる訳です。
しっぽくそばよ、ありがとさん。

元気で過ごせることはありがたいことです。
幸いにして「そばアレルギー」ではありません。
そばなくして生きられません。
麺なくして生きられません。

元気で食事できることがささやかな幸せです。
それを感じさせるしっぽくです。
たかがそば、されどそばです。

今日も元気に穏やかに過ごせますように祈るばかりです。

最後まで、マニヤックなそばの話にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。
そばは、伸びないうちにどうぞです。