''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

麺の散歩道 新福菜館より


無性に麺類が食べたくなることかあります。
そばもラーメンも食べたくなると、頭の中は何か引っかかります。
京都駅近く、新福菜館本店に足が向かいます。
隣は第一旭の本店です。隣同士です。
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昼ともなると行列が出来ます。
店の味は全く違います。
修学旅行生の昼ごはんの人気店です。
皆さん手に京都のマップや情報誌を持っています。

私は、昼時は避けて来ます。
11:30から13:30までは込みます。
早朝からやっています。
モーニングラーメンです。

私も昔は、朝の8時に朝ごはん替りによく食べました。
メタボやダイエットさえ気にしなければ、朝からでもOKです。
この辺は「若い者」には負けません。

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写真見ても分かるようスープが黒いです。
醤油の色です。

最初食べたときには、何とも味の印象は強くなかったです。
見た目以上に辛くはありません。
すこし醤油の味は強い目に感じます。
濃い口の醤油です。生醤油の香りですね。

いつものように麺は「メンカタ」と堅い目にお願いします。
ここのお店はラーメンと呼ばずに、中華そばといいます。
それがこだわりです。

古くからの常連さんも多いのもこのお店の一つです。
私も時々やって来ます。
昼時なら、「並」に中ライスをつけると丁度よい量なります。
 
常連さんの多くが、「並」に「白」とつけます。
「白」とは白身の脂肉のチャシューを付けてくれという意味です。
ダイエット世代とは逆行しています。

「白」は脂の甘みを楽しめます。
温かいスープにつけるともっと脂のとろっとした食感も楽しめます。
私は「白」を頼みません。

しばし待つ事、中華そばがやって来ます。
まずは、麺の堅さを確認します。
好みの堅さか確認する作業は大切です。

このとき、釜場の担当者の顔を覗きます。
今日はイマイチです。麺の茹で上げにムラがあります。
麺の味は、ラーメンや中華そばの味そのものです。

麺は近藤製麺ですね。
香りといい、食感といい、油っこいスープと口の中でのバランスがいいです。
豚のスープ、特に背脂(B)系のスープとは合性がいいです。

隣の第一旭も近藤製麺を使っていますが、食感や麺の太さが違います。
微妙です。粉の配合や麺の太さを指定していると思います。

スープも一口飲めば、なんてことない醤油の味がすこし強いスープです。
濁りのない漆黒のスープです。
醤油の味が前面に踊り出します。
あと化学調味料の味もします。

これは仕方ないです。
どこも入れています。
中華そばの釟にもスープ自体にも入っています。
それに醤油のタレにも入っています。

豚の脂の味もしますが、丁寧に要らない脂を取っています。
この辺は、仕事ですね。
それに青ねき、九条ねきの風合いがそばと絡んで、スープの味を一段高いものにしています。

もやしなどの水分の出るものは入れていません。
加水すると味のバランスが崩れます。
この中華そばには、コショウだけでなく、唐辛子の粉がよく合います。
すこし多い目に振ります。
その風味もたまりません。

新福菜館の中華そばの味は、ライスにもよく合います。
ビールにも合います。
それ以上に、繰り返し食べると深みにハマります。
くりかえすほど、口に馴染むというような感じです。

知らず知らずに通いたくなる味です。
私がこの店に来るのは、どこにもないオンリワンの一杯を求めて来ます。

昼時、大将の麺の堅めは、結構好みです。
夕方になっていますので、違う方が釜の前に立っています。
この人の「堅め」を記憶する必要があります。

人によって多少違います。
基準だけでなく、テクニックも違います。
麺において、スープがうまい・まずいを言う前に、そばやラーメンである以上、麺の味、麺の頃合が大切です。
麺が命です。

どんなにスープがうまくても麺がまずいと評価は低くなります。
今日の一杯、もうすこし堅い目が私の好みです。
次回釜場の担当者を見て、「もう少し堅いめ」を頼めばいいですね。
この辺も難しいです。

「針金」と呼ばれるゴリゴリの麺を好まれるお客がたまにいます。
半分ぐらいしか火が入っていない状態です。
うまいとは思いません。しかし、食感は全く別物です。

学生時代ラーメン屋でバイトしていましたので、賄いに麺を半分にして、「針金」風に堅い目にしてご飯食べていました。
そう思えばこれもありですね。

作り手からもラーメンを見る事が出来ます。
先ほどの「白」も店から言うと助かります。

通常は、チャシューの「赤」と「白」を両方入れるように気を使います。
「赤」は脂分のない肉のことです。
パサパサして味はよくないです。

スープに漬けて食べると程よくなります。
女性のお客さんには絶対「赤」しか入れません。
「白」入れると残されます。

通常は「赤」と「白」の両方を入れます。
そうないと「白」の部分が残りやすいです。
そうした中、「白」を頼まれるお客さまには、当時の店では多い目に入れていました。
「白」を好まれるのは年配の方が多いです。

オーダーも色々あります。
ネギなし、もやし抜き、麺の堅さ、味の濃淡、スープの脂の濃淡、麺の減量、チャシューの紅白の種類などいっぱいです。
それをオーダーと共に覚えます。頭の中で、お客さんの顔にメモを書き込みます。
同時に順番も書き込みます。

メニューはラーメンだけではないです。
当時の店は、サイドメニュー(唐揚・餃子・定食)もありました。
同時に出るようにしないと、ライスだけ最初に出したら、ラーメン出来た頃には、ライスが冷めてしまいます。

麺の堅さも一杯なら、調整も効きますが、10人分茹でて、2人だけが堅い目なら、時間の逆算が必要です。10人すべてが堅い目なら、もっと逆算が必要です。
盛りつける時間を考えないと、堅い目のオーダーに対応できません。

超堅い目にして盛り付ける。
しかし、こうなると麺が上手に茹で上がりません。
麺あげは、テクニックと感です。

高等な技術を要します。
一生納得が行かないですね。
一生勉強です。すべての物事に通じます。長安にも通じています。

麺を茹でるとお湯が汚れます。
透明なお湯が、茶色、もっと濃い茶色となります。
この状態で湯がくのと、サラ湯で湯がくのとは、湯で上がりが別物です。
茹で上げの時間も変わります。

すなわち味を大きく変えます。
通常、昼過ぎに一度お湯をすべて交換します。
このためこの時間はラーメンが提供できません。

多くの店が昼過ぎから夕方まで休憩するのも、こうした準備のためでもあります。
スープが大釜一杯分しか用意していませんので、これを用意する時間でもあります。

新福菜館にはこうした休憩時間はないです。
用意の仕込みは別にやっていると思います。
そうしないと多くの方に提供出来ません。

一杯のラーメンや中華そばにも「一期一会」の精神です。
お客さんに対する気遣いが店の人気でもあるように思えます。

たかがラーメン、されどラーメンです。
物を極めることは難しいです。
食べる客も客として正確に受けとめる技量が必要です。
客としても日々精進です。

ありがたいと感謝の気持ちを添えてください。
よりありがたくラーメンを頂く事が出来ます。
おいしゅうございました。

最後まで熱く語ってしまいました。
ラーメンのびちゃいましたね。
最後までお付き合い下さいまして、ありがとさんです。