''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

中興名物 薩摩肩衝茶入 忠度(ただのり) より。

中興名物と言われている茶道具です。
細川三斎が、当時は、薩摩焼に因み薩摩守忠度の銘をつけたと聞きます。
正式には薩摩焼ではないようですね。

 

やはり、三斎殿は、数寄者ですね。
センスのよさを感じます。
現在は、野村美術館の所蔵品のようです。
別冊太陽の「千利休」の特集号に掲載されていたものです。
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平忠度は、熊野の生まれで、平忠盛の末子で、平清盛の末弟、通称は薩摩守(正式には、正四位下薩摩守)です。
能や狂言では、有名な人物であるとも聞きます
藤原俊成に師事した和歌の名手としても、その名が残しています。

 

「ゆきくれて 木の下かげを 宿とせば 花や今宵の 主ならまし」、辞世の句が「平家物語」に
記されているようです。

 

「さざなみや 志賀の都は あれにしを 昔ながらの 山桜かな」も、俊成の配慮で、千載集の中に読み人しらずとして、記されていると聞きます。

 

文武両道に優れた忠度は、平家一門の中で特に優れていた方のようですね。
平家物語の中では、忠度の都落が、有名でしょう。

 

この忠度(ただのり)には、隠語があります。
ただのりから、無賃乗車(正確には、不正乗車)と掛けたところから、キセルの事を「薩摩守」(さつまのかみ)と、特に旧制高校の生徒には、キセルすること、それは薩摩守と、隠語にされています。

 

薩摩肩衝は、釉薬が少し垂れているのが、特徴です。
それなら、同じく中興名物の「飛鳥川」も釉薬が垂れていますね。

 

「昨日といい 今日と暮らして 飛鳥川 流れてはやき 月日なりけり」
古今和歌集の1首です。
こちらは、小堀遠州の古い和歌より名前をつけた本歌取りです。
過去の記事にしています。

 

キセルと言えば、ご存知、愛煙具です。
通常のものなら、雁首と呼ばれるタバコを詰める所と、吸口と呼ばれる口を付ける所だけが、金属です。

 

これが転じて、最初と、最後の一部してお金を使わない乗車(不正乗車)のことを「キセル」と呼びます。
今でも使うことがありますよね。(私はしていませんがね)
その間の羅宇(ラオ)と呼ばれる場所は、竹や木で出来ています。

 

江戸時代には、ラオ屋と呼ばれるキセルのメンテ職人が、市中を徘徊して商売をしていたと聞きます。
タバコのヤニで、すぐにラオがめずまりしたり、交換を要する斎にそうした職人が重宝されたわけです。

 

キセルも、江戸時代に、いろいろ趣向を凝らしたものが、世に出ました。
キセルと言えば、鬼平こと、長谷川平蔵をイメージします。
鬼平犯科帳「大川の隠居」のその平蔵愛用のキセルが、キーワードになります。

 

名工・後藤兵左衛門作の煙管で、鬼平の亡父・宣雄への敬愛の念が強く感じられます。
名工・後藤兵左衛門は、京・新竹屋町寺町西入ルにあった実在する煙管師です。
この辺に池波正太郎氏の強い思いを感じます。

 

「大川の隠居」は人気のある話で、私も大好きな話です。
最後の方に、大川の主の大きな鯉が現れる話でもあります。
浜崎の友蔵が、平蔵の使うキセルに、驚いたシーンが印象的ですね。
さすが、池波正太郎氏と思った時代劇の面白さです。

 

また、読み返したくなります。
池波ワールドに深みにどんどん、沈んでいくんでしょうね。
急に、鶏肉と牛蒡のいっぱい入った、五鉄風の鳥鍋が食べたくなりました。
軍鶏は、近くのスーパーで手に入りませんからね。

 

タバコは呑みませんが、お酒は頂きます。
余裕があれば、酒器にも凝ってみたいものです。
愛用の九谷焼信楽ぐい呑みも、いいですけどね。

 

日々の暮らしを少し工夫すると、より楽しいです。
何気ない生活が、少しの工夫で、一変します。

 

ありがたいと感謝して暮らしています。
これも、ありがたい仏縁のお蔭です。

 

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らしたいです。

 

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますよう、祈るばかりです。

 

最後まで、雁首揃らないような話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。