''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

しょうがたっぷり乗せた焼き茄子三兄弟物語 より。

朝から暑いです。
台風の影響もありますが、暑さのピークは超えた気もします。
京都伏見の気温も35℃を下回る34℃の予報です。
35℃を超えるか超えないかで、過ごし易さも変わります。

もう数度、乗り越えると、ゆっくり秋へ向かいます。
もう少しの我慢です。
ゆっくり夏を楽しみたいです。

そう言えば、最近の食のマイブームは、茄子です。
地の茄子が旬で、値段も手頃です。
それでいて、美味いです。
これが一番です。

中華にしても、添え物にしても、漬物にしても、これまた美味いです。
茄子のお汁や干した小海老との煮付けもいいですね。
想像するだけで飲めます。
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最近よく作るのは、やはり茄子の味をしっかり味わえる焼き茄子です。
焼き茄子美味いですね。
子供の頃、食べず嫌いでした。
茄子の漬物も食べず嫌いでした。

ある時、よく可愛がってくれた伯母の家で出たのが、焼き茄子です。
しょうがも、鰹節も乗せた一皿でした。
食べたことがないけど、食べるとはこれまた美味い。
それから、母に焼き茄子を作ってくれるように、頼みました。

焼き茄子は手間が掛かります。
暑い最中、熱いコンロの前の作業は、好まれません。
ですから、自分で作るわけです。
ガスコンロに、網を置いて、その上で茄子を万遍なく焼くわけです。

周りが焦げないと皮をむく事が、難しいのでしっかり焼きます。
少し覚まして熱熱の皮を取り、軽く水で洗えば完成です。
幾度となくやった子供の頃の作業です。

今それを貧家の台所で、汗だくになりながらやっています。
いえいえ、あの後の楽しみが子供の頃と違い待っています。
焼き茄子なら、ビールや発泡酒にも、日本酒にも合います。

冷蔵庫で冷たく冷やすのも美味いです。
私はこらえ性がありませんので、少し温かくても構いません。
自然に冷める間に、しょうがをたっぷり摩り下ろしたモノを乗せます。

こんなもの見れば、これで一杯呑めると言葉を発します。
一杯呑めると来れば、落語の『二人癖』ですね。
私は米朝さんの二人癖が聞いて心地よいです。

ある男は、何かにつけて「つまらん」といい、ある男は、「一杯呑める」と言う。
そんな癖がお互いあるので、直そうと提案します。
これはいいアイディアです。
それが長屋暮らしのこと、罰金に一円をかけます。

こうすると、意地のゲームとなりますね。
何としても一円が欲しいと、いい知恵を甚兵衛はんに頼みます。

相手の辰さんは、すぐに「つまらん」と言います。
じゃと、田舎から大根百本貰ったが、漬物にしようと思い、二斗樽に「つまるかなぁ?」と、持ちかけると「つまらん」と言うと筋書きを、頂きます。

早速、作戦実行です。
そこは、家の中まで知り尽くした長屋住まいのこと、筋書き通りに行きません。
「お前の家に、田舎はない」とか「大根わけろ」とか、チャチャが入ります。
最後に、「入らん」と言う始末、相手の辰さんも中々の知恵モノです。

逆に、「嬶(かかあ)羽織りだせ」と言う言葉に飛びついて「どこへ」行くのか尋ねられ、「兄貴の新築祝いに行く」と言うと、「そりゃ、一杯呑める」と言う始末です。
一円の罰金その場で徴収です。

羽織は、すぐに仕舞います。
これも狂言です。
相手の辰さんも、なかなかやります。

悔しいので、またまた甚兵衛はんに、相談です。
辰さんの好きなものを聞かれます。
それが将棋という返事です。

それじゃと、詰め将棋を教わります。
絶対に詰まらん詰め将棋の秘策を持って、自宅で辰さんが風呂に誘いに来るのを、ずっと何時間もまっています。

満を持してやって来た辰さんです。
声を掛けても知らん顔、呼ぶこと3度、はっと気づきます。

そこは、将棋の好きな人、「おれにやらせてくれ」と作戦は上々です。
最後に「詰まるかなぁ?」の悪魔のささやかをする米朝さんの表情がいいですね。

作戦成功です。
「詰まらん」と言います。
その言葉に大喜びの男です。

この作戦はよく出来ていると、感心して倍の二円の罰金を快く払います。
これに「これで一杯呑める」と言う始末、その場で一円の罰金徴収です。
差し引くゼロです。

人の人生も詰まるか詰まらんかは、その人の心の持ちようです。
大金持ちに生まれ、欲しいものは何でも手に入り、仕事も大成功で、子供にも恵まれ、何不自由なく死ぬんで行く人生は、なかなかありません。

多かれ少なかれ、挫折を味わいます。
挫折のない人間は、もろいです。
一度挫折すると、再生は利きません。
この辺が、人の人生の面白い所です。

昨日のレスリングの吉田選手の金メダルは、凄かったですね。
伊調馨さんに続いて、連続3連覇の大偉業です。
最高の状況を12年以上維持することは、不可能です。
でも、やれた二人の英雄です。

レスリングは、金3つの大偉業です。(茄子に盛った金色のしょうがは、金メダルをイメージです)
浜口選手も頑張りました。
胸を張って帰って来て下さい。

そんな鉄人王者の吉田選手も試合前は、眠れなかったと言います。
いつものはそんなことがなくよく眠れるのに、今回が初めてだったと語っていました。
やはり、人間として精神力の修練は、王者にしてもあることに驚かされました。
凡夫の私なら、当然の事です。
私など、明日知らない人と合うだけでも、緊張して寝られません。

暑いのも寒いのも修練ですが、私には無理です。
そんな私でも、日々の暮らしのささやかな幸せを見つける術は、少し会得しています。
何事も「詰まらん」と否定的な言うのでなく、ささやかな出来事を見つけて、「これで一杯呑める」と前向きな気持ちを求めます。
伊調選手や吉田選手の偉業を祝杯して、これで一杯呑めます。

お気楽な風に考えるようにしたいです。
下を向いてもいいことはありません。
前を向いて進まないと、これまた長安には辿り着けません。
前にある道を歩むだけです。

ありがたいことに、私は仏縁を頂いています。
ありがたい感謝して暮らさせて頂いています。

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らしたいです。

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、茄子のうまみの詰まった話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。