''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

鱧ときゅうりの酢の物で、ご機嫌良く晩酌タイム より。

言わないようにしていますが、文字にしたらすぐに「暑い」と書いてしまいます。
夕刻から何度か、豪雨の予報が入っていますが、いまだ雨は参上つかまりませぬ。

判官「力弥、力弥、由良之助はまだか?」
力弥「ハッ、いまだ参上つかまつりませぬ」

何とも芝居じみた、語呂が文面に出てしまいました。
こうなると、落語「淀五郎」でしょう。

六代目三遊亭圓生の十八番だったと聞きます。
やはり、諭される感じがして、名人だと思います。
生きている方なら、金馬さんですね。
あの柔らかい物腰で、諭されると、何んだか頑張ってみようと思います。

代役で若手の澤村淀五郎に、判官の役が付きます。
座頭の市川團蔵は、大星由良之助と師直の二役です。
四段目「判官切腹の場」で、例の名台詞の場面です。

判官の淀五郎が、いくら呼んでも、由良之助の團蔵は、やって来ません。
そんな忠臣蔵はありませんよね。

ここで、悩んで死んでしまおうと、世話になった初代中村仲蔵に、別れをいいに行きます。
もちろん、何かいつもと違うとさっした、仲蔵が話を聞いてくれます。
その仲蔵が、懐が深いです。
座頭の團蔵三河屋)の旧知の仲の仲蔵も、何か見込みがあるからと、代役をくれたはずだと、諭します。

この辺は、よくある話です。
でも、仲蔵の凄いのは、自分の工夫を少し教えてくれます。
その前に、誰の形でやっているのか、淀五郎の尋ねます。
形がないというので、それを「形無し」と言うんだと、冗談交じりの会話に、人間の深みを感じますね。

その辺りの仲蔵の工夫が、演者によって違います。
圓生の工夫の中に、切腹するシーンで、九寸五分(腹切る短刀)などの刃物が、体に入るとひんやりした気持ちになると、伝えます。
「おお寒む」と言う感じで、声を張らずに小さな声で、物言うと切腹した雰囲気が出ると言うのです。

それに、耳たぶの裏に青黛(せいたい・青いまゆずみ)を塗っておく、それを由良之助の登場シーンで、お客の目がそちらに向いた瞬間に、唇に塗ることを薦めます。

これで、九寸五分(腹切る短刀)が入った瞬間、唇が青くなっていると、お客がびっくりして、本当に切腹したような臨場感を煽ります。

名題(真打)に昇格した淀五郎に、見込みがあったと喜ぶ座頭の團蔵です。
これなら、行ってやらないといけないと、思わせる芸がそこにあったことになります。

理不尽なことが多いこの世の中で、努力が報われた瞬間です。
芝居とコラボした人情噺の落語は、いいですね。

いえいえ、熱い話になってしまいました。
これなら、ひんやりする為に、九寸五分が必要ななりますかね。
クスン(九寸)でダメなら、元・大将もグサン(青雉)のひえひえの悪魔の実の能力で、一気にひんやりさせてもらいたいです。
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体を冷やすのには、生の野菜がいいと聞きます。
それじゃと、この日の晩酌の肴は、鱧ときゅうりの酢の物です。
鱧の美味いです。

この時期なら、鰻の入った酢の物、鰻さくも美味いです。
でも、今年は高騰していますから、代用品でもいいです。
さっぱりした酢の物なら、鱧の方が上かもしれません。
すりごまが、入っています。

これなら、発泡酒にも、冷えた日本酒にもよく合います。
夏の涼は、体の中から取りたいです。

急に酢の物が食べたくなりました。
今なら、口は鰹のなまり節ときゅうりの甘酢になっています。
どうでしょう。
茗荷を入れると、清涼感もまします。

人情噺の落語でも聞いて、たまには涙を流して、デトックス効果を狙う手もありますよ。
ひとすじの頬を伝う涙、たまにはいいかもですね。
今晩は、泣きモードのドラマ選の中から、何か見ながら晩酌タイムにして見ましょうかね。

今日は、長い鱧だけにつかみ所のない話になりました。

日々の暮らしの中に、ささやかな幸せはあります。
ありがたい仏縁に感謝して、暮らさせて貰っています。

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らしたいです。

今日も明日も、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、栄屋の仲蔵にごまをすった話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。