''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

映画 『必死剣 鳥刺し』の「と」

 
『必死剣 鳥刺し』(監督 平山秀幸)
 
藤沢周平の短編時代小説シリーズ、映画化としては『隠し剣 鬼の爪』、『武士の一分』に続いて3作目です。
時代劇ファンには、藤沢周平の時代小説モノは、見ごたえあります。

 

主人公の兼見三左エ門(豊川悦司さん)は、剣術の達人という設定です。
しかし、どうもそうは見えません。
トヨエツの演技は、寡黙な中に凛としたところが、いいですね。
「青い鳥」の少し蔭の理森的でいいです。

 

亡くなった妻の睦江の姪で、三左エ門に献身的につくす健気な里尾を、池脇千鶴さんが演じます。
これがいいですね。
いい表情ですよ。

 

後に、ひょんなことから、関係が出てしまいますが、三左エ門の帰りを信じて待っています。(ちょっと切ないです)
それにこの映画の中でよかったのは、帯屋隼人正を演じる吉川晃司さんです。
通称「御別家」と呼ばれる主筋の方です。
こちらも、剣の達人と言う設定です。

 

卑怯な策士の中老・津田民部を岸部一徳さんが演じます。
こちらも、ある意味で名優の顔です。
最後にとどめを刺されるのが、必死剣 鳥刺しという秘儀です。
確かに、最後の最後に出される一世一代の秘儀です。

 

何だか後味の悪い映画ですが、武士の本分を強く感じます。
命のやり取りが、正義でなく、主命によって出された時代です。
愚かな主君に仕えたモノのサガかもしれません。