''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

加賀屋九平の「芋膾」と芋好きな私。

鬼平犯科帳の中に、「兇賊」という話があります。(文庫番号五、昭和四十五年 十一月)
私にとっても、大好きな話です。
ぐっと心の琴線に触れる感動する話の一つです。

 

それ以上に、私が芋好きなのです。
私の場合は、特にジャガイモが大好きです。

 

ジャガイモのざらついた感覚、ほくほくした感覚ともに好きです。
揚げてもおいしてし、蒸してバターをのせても美味い。
中華風に炒めてもシャキシャキした感じも大好きです。

 

おでんのジャガイモ最高です。
素材の旨みを、一身に吸い上げています。
でも、里芋も好きですし、いも類全般好きです。

 

九平には、2つの顔があります。
一つは盗賊、もう一つが料理人です。
鷺原(さぎはら)の九平は「ひとりばたらきの」老盗賊です。

 

何処のお頭の下にもつかず、仲間も持たない。
誰に気兼ねも要らない。
それが理由らしいです。

 

加賀屋が、九平のもう一つの表向きの顔なのです。
名物は、「芋酒」と「芋膾」(いもなます)。

 

「芋酒」とは練り酒です。
粘りのある芋をあたり鉢ですって、そこに燗にした酒をゆっくり少量づつ練りこんでゆく、そんな酒です。
精力が、付きそうです。

 

そういう目的に呑みのす。
まだ、ソンナ必要もないので呑んだことはありませんが、想像が付く味です。

 

もう一つの名物が、「芋膾」(いもなます)です。

 

本文を一部楽しんで下さい。

 

九平の店で評判の食べものは、〔芋膾〕である。
これは、里芋の子を皮つきのまま蒸しあげ、いわゆる〔きぬかつぎ〕をつくり、
鯉やすずきなどの魚を細目につくって塩と酢につけておき、
芋の皮をむいて器へもったのへ魚の膾をのせ、合わせ酢をかけまわし、きざみしょうがをそえた料理だ。
季節になると、加賀屋の芋膾を食いに行こうというので、酒が飲めない連中も九平の店へ押しかけるさわぎ。
気が向くと九平は、芋飯を炊いて客へ出したりする。
どうも九平、芋が大好きなのらしい。
鬼平犯科帳5「兇賊」 引用)

 

私が説明するより、池波正太郎氏の文章に引き込まれます。

 

これに、似たものを食べたことがあります。
私は、子供の頃から変わった子供で、膾(なます)が好きでした。
魚は、鯖が多かったですが、紅白の膾に魚の酢の物が入ると、ぐっと豪華さを感じていました。
おばあちゃんとかが作っていました。

 

芋膾は、里芋のねっとりした食感もたまりません。
里芋でなくても長いもでもよく合います。
長いものシャキシャキとした食感たまりません。
山菜やなめこ、えのきなどの粘りのあるきのこと長いも酢で和える。

 

簡単ですが、酒の肴に良いです。
やっぱり日本酒でしょうかね。
でも、暑い最中、さっぱりとして酢の物で、ビール流し込むのも良いですね。

 

なんといっても生姜(しょうが)は外せません。
刻みしょうがか、針しょうが、またまた茗荷(みょうが)の刻んだものでもよく合います。
色合いに枝豆を湯がいて、手間でずが、殻から出したもの枝豆を酢の物に合えるのも涼を感じます。
キュウリも美味いですが、人参との取り合わせにはきれいですよ。

 

膾は、すこし癖がありますが、スズキとかでしたら取り合わせはいいでしょうね。
まだ、鯉では試したことありません。
鯉の洗いを、想像すれば合いそうな気もします。

 

芋好きにとっては、芋の料理を思い浮かべるのはたまらない至福の時です。

 

でもこの話には、加賀屋での会話が胸に響きます。

 

平蔵が店に入ると客はおらず、九平の親父と平蔵の会話が流れます。
そんな中、夜鷹のおもんが、加賀屋に呑みに店に入ります。
九平は、目配せで入店を断ります。
平蔵が、嫌がると思っての気遣いです。

 

夜鷹とは、娼婦です。
それも店舗にいる娼婦でなく、一人で町に立つ娼婦の中でも、最も扱いの低い立場です。
もちろん、値段も安いです。

 

池波正太郎氏の小説の中では、よく登場します。
やさしく扱っています。
蔑(さげす)みは、ありません。

 

平蔵が、一緒に呑もうと、おもんを店の中に誘い入れます。

 

おもんは、少しだけ商売気を出します。
しかし、年と言うことを理由に、平蔵は色気目的でない事を伝えるのです。

 

一緒に呑みます。
その時、おもんが「平蔵が、自分を、人並みに扱ってくれること」に涙します。
平蔵は、自分も、おもんも、親父の九平も、同じ人であると言い放ちます。
ぐっと来ますね。

 

池波正太郎氏の言葉でもあるのでしょう。
多くの女性を見て来た。
人を見る目が肥えた人だから、小説家としても成功したと思います。
人をよく観察しています。

 

偏見を作らず正しく事実として物事を見る。
出来そうでないと、なかなか出来ません。
この話、大好きな方多いです。
人気上位のある話です。
一度、時間があれば読んで下さい。

 

今日も一日、穏やかに元気で過ごせますように、「感謝」の気持をカバンに入れ忘れないようにします。
後から忘れ物として届けてくれませんからね。
時々、電車に忘れているの見かけますよ。
私が拾って、天に届けます。(笑)

 

いつも最後まで、読んで下さってありがとさんです。