''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

呉春 白梅図屏風より。

昨日は、小雨振る京都でした。
時を同じくして、昨日の昼は兵庫の池田に居りました。
池田と言えば、銘酒「呉春」と落語「池田の牛ほめ」と落語「池田の猪買い」でしょうね。

そんなこの地に、逸翁美術館があります。
阪急グループの創設者、小林一三氏が集めた美術品を公開している美術館です。
こじんまりとした美術館ながら、品格のあり、作品の収蔵にも評価の高い美術館です。
私も初めて訪れた美術館です。

今回の目的は、呉春です。
江戸時代の絵師です。
時代、系派をまとめた、円山四条派の絵画も同時に公開されています。
昨日が、開催の最終日でありました。
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今回の最大の呼び物は、呉春筆白梅図屏風です。
何とも風情のある白梅の6曲1双の屏風です。
重要文化財の指定を受けている作品です。

絵を一望できるところに椅子があります。
もちろん、ここに腰掛けて、白梅を観賞します。

いいですね。
心がゆったりとします。

それでいて、梅はそこにありだけで、主張はしません。
そこにあるのが、至って自然にある。
植えてあるかのようです。

屏風というと、白い紙か絹布に描かれているかのイメージですが、柄の入ったような布に描かれています。
こちらの美術館では、2年に1度の公開のようですね。

もちろん、円山応挙の「雪中松図屏風」もありました。
これも圧巻です。
筆遣いといい、空間というか余白の使い方が美味いです。
こちらも6曲1双です。

一望できるところに椅子があります。
ゆっくとり雪の積もる松の枝振りです。
こちらの図柄は、国宝の「雪中松図屏風」と同じ図柄です。
よっぽど気に入って、何度も描かれた絵の構成でしょうね。

長沢芦雪の「牡丹孔雀図」にも、うっとりと眺めましたね。
一番のお気に入りは、源琦(げんき)の「玄宗楊貴妃弄笛(ろうてき)図」です。
玄宗皇帝と楊貴妃が寄り添って、楊貴妃が笛を吹かれています。

その様子を玄宗皇帝が、愛しく優しく見守っている図です。
幸せいっぱいの様子に、作者得意な唐風の作品に、二人の愛を何かに託している様子が感じます。
愛する人を思い描いてかいたようですね。
いい作品です。

同時に、京焼の陶芸品もところどころに展示されていました。
その中でも、私は仁阿弥道八作の「雪竹手鉢」がお気に入りです。
何か和菓子でも盛って見たくなりましたね。

どことなく、志野焼き、それも魯山人の焼き物をイメージしましたね。
持ち手も陶製の一体とした形です。
四角形の饅頭か和菓子を盛って見たいです。
やはり、いい作品です。

30品ほどの作品ながら、内容の濃いものですね。
実は今回の鑑賞、招待して頂いたものです。
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とある方のお誘いを受けて、招待状という形で鑑賞の運びとなりました。
ありがとさんです。
楽しい時間を過ごせました。

すこし美術館に足を運ぶと、精神的に優雅に感じます。
1時間ほどではありましたが、非日常がそこにありました。
世俗の憂さを、この場に捨ててこれたような心持です。
たまにはいいものです。

今日も平穏無事に過ごせますように手を合わせるだけです。

最後まで、銘酒呉春のないままの話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。