''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

京へのいざない 京都国立博物館 秀吉の愛した天下三作 幻の島津正宗 鑑賞 より。

少し空気が冷たくなりましたね。
東京の方では、一気に10度近く下がって、12月の気温になったとか、朝のニュースでやっていました。
大阪でも、朝4時前には、かなり冷えますからね。
体調が悪くなりそうです。

 

体調が悪いと言えば、膝の方が芳しくありません。
ビッコの状態が続いています。
持病の痛風の発作は出ていませんが、膝がいけませんね。
疲労から出ています。

 

そんな体を引きずっても行きたい場所が、前からありました。
それは、京都国立博物館 秀吉の愛した天下三作です。

 

新しくなった国立博物館の常設展が充実しています。
その中でも、幻の島津正宗と言えば、今一番のホットの展示です。
それを鑑賞しに行って来ました。

 

一番時間が短縮でき、その上、体に負担の少ないスクーターで、大阪から京都に向かいました。
50キロの距離ですから、所要時間も片道1時間程の時間です。
電車なら、乗り換えも含めて、1時間30分ほど要します。
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秀吉の愛した三作と言えば、粟田口藤四郎吉光、相州入道五郎正宗、越中郷義弘と言う事になっています。
秀吉公がお決めになったと聞きます。
刀好きの秀吉公らしい選択かもしれません。
刀好きと言うだけではありません。

 

天下統一をしても、それだけ与える恩賞の土地がありません。
つまり、土地以外の恩賞として、茶道具や刀が、その代償物のなった経緯があります。
本阿弥家にして、折り紙と言う鑑定書を使えば、少し出来のいい刀が、名刀に早変わりします。

 

名刀の代表格の正宗には、銘が入ったモノが、4口しかありません。
ほどんどが、無銘です。
そりゃ、正宗自身、鎌倉幕府の刀を作るお役です。
一々、銘を切る必要はありません。

 

むしろ、刀と言っても、正宗個人が作ったものではありません。
正宗ファクタリー(正宗工房)の作品です。
正宗十哲と呼ばれるほど、多くのお弟子が日本中から集まっています。
実際は、もっと何十人と言うお弟子が、刀を作っています。

 

とりあえず、刀を打つのは、三人で1チームです。
三人の息が合えば、打ち手の音は、トンテンカンです。
その内1人が、打ちミスを犯す事があれば、トンチンカンとなります。
そうトンチンカンの語源です。

 

幕府の仕事ですから、工房内で、同時に刀作りが行われています。
出来のいいものを、正宗が、幕府に納めるだけです。
依頼を受けて、贈答品として、送られる時には、短刀に限られ、ここに「正宗」の銘が入ることになります。

 

まぁ、芸人さんの営業的なものかもしれません。
やはり、正宗も時に現金も必要になることがありますからね。
ですから、庖丁正宗と呼ばれる庖丁のような形をした短刀が、数口ありますからね。
どう見ても、武器として使うには、無理があります。

 

依頼のあったかどうかは分かりませんが、正宗の遊び心かもしれません。
それとも、料理もする武人の御依頼かもしれません。
そんなものに、正宗も、銘は入れません。

 

正宗工房の腕のいい職人さんに、越中郷義弘がいます。
正宗と言えば、正宗にも見えます。
若くして、この世を去っていますので、作品が凄く少ないです。
それに、正宗工房の職人さんですから、銘など切りません。

 

出来は、物凄くいいですね。
今回、3振ほど展示されていましたが、素晴らしい出来です。
刀に吸い込まれます。

 

正宗の刀も数振展示されていましたが、やはり、国宝の中務正宗は、素晴らしい刀です。
これほど完成度の高い刀は、なかなか見られません。
刀の形といい、刃文といい、肌といい、名刀中の名刀だとじっと見入りました。
いろいろ説明がありますが、百聞は一見にしかずの如く、見ないと語る事は出来ません。

 

刀に吸い込まれます。
都合20分ほどじっと見ていましたが、前に見た同じく国宝の城和泉守正宗のように、見飽きません。

 

となりに、今回150年ぶりに見つかった島津正宗がありました。
こちらも、いい出来です。
状態も素晴らしいです。
個人が秘蔵するには、限界を感じます。

 

売買すれば、億単位からのスタートになると思いますが、さすが国立博物館に寄贈するのが、もっとベストだと思われます。
日本の宝です。
私の個人的な感想から言えば、中務正宗の方が、より正宗感が強いです。
所持していたのは、徳川四天王の一人、本多平八郎忠勝です。

 

実際に、切先の下辺りに、刀に小さな傷がありますので、戦で使われたモノと感じます。
戦場が似合う武人の刀の感じが強いです。
あの平八郎が愛用と思うだけで、ぞくぞくします。

 

正宗の刀は、この二口で、残りは短刀です。
中には、どうみても、正宗工房で作られたと思われる兼氏モデルや、時代の下がった彦四郎モデルもあったように思えます。
正宗工房で作られたモノですから、正宗がこの世を去っても、正宗の刀の出来あがりです。

 

同時に、吉光の短刀もありました。
小ぶりな吉光の短刀は、これまた秋田藤四郎で、名刀の香りがプンプンします。
品のいい直刃が、ぐっと気持ちを落ち着かせてくれます。

 

一気に11振の刀を見ると、英気が吸い取られます。
その為、3階までの展示があったのに、1階だけの展示を見ただけで、疲れ切りました。

 

その大半が、日本刀の展示の前に、1時間以上ここで過ごしました。
後は仏像と、書と絵巻もので、ダウンです。
さすがに、陶芸やらまで、気持が持たず、国立博物館を後にしました。
また、やってきます。
その時までの楽しみに取っておきます。

 

さすがに、日本刀の展示は大人気で、多くの方が鑑賞されていました。
やはり、日本刀鑑賞には、少し勉強が必要です。
刀の見方や歴史を学んだ上で見ると、全く別物になります。
次回までにもっと精進が必要だと感じましたね。

 

短い時間でしたが、いい気分転換になりました。
京都国立博物館、ありがとうございました。

 

日々の暮らしの中、感謝して暮させてもらっています。
ありがたいです。
心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮したいです。

 

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

 

最後まで、京都散策の話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。