''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

我が家の食卓ものがたり 熱々の関東煮(おでん) より。

ここ数日空気が変わったと感じます。
季節が前に前にと進んでいますね。

こうなると、燗酒が恋しくなります。
恋しいと言いながら、9月くらいからでも、燗酒です。
燗酒よかろうと言いながら、そちらは、赤穂浪士の銘々伝の浪曲、講談の話になってしまいそうです。

燗酒よかろうと聞かば、「神崎与五郎の詫び証文」と合言葉のようには、出ない世情になっています。
昭和も昔の話です。
打ち入りの一時の前に、馬子の丑五郎に難癖付けられて、詫び証文を差しいれると言う人情噺ですね。
刑法的な見地から言えば、強要罪が成立しますよ。

私も仕事で、難癖を付けられたことがあります。
仕事上立場があるだけに、揉めませんでしたが、えいとその気になって、警察沙汰になれば、貴社のイメージが最悪となって、和解提案に持ちこめる算段もありしたが、大人対応で、「するが堪忍」で乗り切りました。

今でも腹が立ちますね。
そば一杯の事で、「責任者出せ、休日の昼に、今から詫びに来い」と、ここまで来れば、大阪でも有名な企業の係長辺りでも、やり過ぎです。

どこでも、こうした非常な愚か者は、多いです。
気持ち的には、ショーケンの「愚か者よ」が頭に流れていますね。
まるで酔っ払いの歌い方も、この方の個性です。

酒は、心の玉箒と申します。
時には、流し事も出来ます。
時には、流せない事もあります。

燗酒と言えば、おでんが付きモノです。
かの美食家北大路魯山人は、お酒には、おでんは合わないと、著書の中で書かれています。

魯山人も、京都の方ですから、おでんと呼ばずに、「関東煮(かんとうだき)」と呼んでいたはずです。
寒い日には、「関東煮(かんとうだき)」でしょう。
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我が家の食卓の「関東煮(かんとうだき)」です。
一皿に乗せられる分だけ、盛りつけました。
大根、牛蒡天、平天、牛すじ串、蒟蒻、豆腐、玉子、小芋、竹輪、そして、チラ見せのよろ昆布です。
辛子も添えましたよ。

有田の皿も、いい感じに折り合いが会います。
練りモノも美味いですが、やはり、旨みの真髄は、豆腐です。
いろんな旨みを吸って、より美味くなります。

もちろん、3歳児のゆうゆうも食べます。
今回の一番の食いつき、やはり豆腐と玉子でした。
驚いたのは、牛すじ肉を口の中で、何度も咀嚼しながら、何か味わっています。
牛すじ肉の旨みを楽しんでいます。

初めて食べた牛すじ肉の肉と脂の旨みですね。
奮発して、国産牛のすじ肉にしてみました。
短時間の煮込みでしたが、それほど固くも無いんですが、あの食感を楽しんでいるのも分かります。

亡き岳父得意の牛すじの煮込みを、作りたくなりました。
こちら、ゆうゆうと取り合いになるのは、必定です。
そんな時は、一味か七味をフリフリして、テリトリーを確保するのが、大人の智慧です。

でも、敵もさること、「からい」と言いながら、食べると言う飛び道具を出すことも考えられます。
フリフリと言っても、リージョンやマクロジョンと言えば、一昔前の事です。

関東煮の語源は、広東だと言われる事もありますが、こちらは、飛躍し過ぎでしょう。
中国の広東まで出されば、まるで手品師のゼンジー北京さんの「ハイ! ワタシ中国ハ広島のウマレアルヨ!」みたいですよ。

関東煮の言葉の由来も、定かではありまんが、私は関東大震災による関東由来説を採ります。1923年に起きた関東大震災により、関東と関西の料理人の行き来が盛んになります。
時に一時避難であったり、時に復興特需による出稼ぎであったりと盛んに東西の料理人が交わります。

この説には、弱点がある言われます。
それは、1844年創業の老舗の「たこ梅」が、この震災前から「関東煮」を看板に掲げいたと言うのです。

私的には、それが弱点だとは思いません。
それは、たこ梅の「関東煮」と庶民の食べる関東煮では、本質が違うと思えます。
たまたま名前が関東煮に定着しただけで、進化の中で、なくなった関東煮もあるはずです。

今残っている関東煮でも、いろいろあります。
鯛の頭の出汁を使っている名店もります。

でも、当時の庶民が食べる関東煮は、ある程度今のおでんとは違うと見ています。
いろんなモノを一つの鍋に入れて、煮ると言うスタイルが、関東煮なんですね。
手に入る材料で作ったのが、関東煮です。

当時関西では、手頃で安かった鯨を使いました。
海が近いので、練りモノも入れました。
蒟蒻も大根もジャガイモも、脂っこいモノから、淡白な食材まで、一つの鍋で煮込んで食べるスタイルが、まさに関東煮だったと言えます。

これが、庶民の家の食卓でも、容易に再現できたのも、広まった理由でしょう。
味も、おでんは、本来味噌味と決まっています。
それが、醤油になって、京都では薄味に、大阪では濃い味に、播州では、甘辛い味に、地域地域で進化したのが、関東煮だと思います。

関東煮と一括りにしようとすると無理があります。
関東煮と書いて、「かんとうだき」と読むのも七不思議の一つです。
まず、「関東煮」と言うロゴがあって、「かんとうに」ではなく、もともと有った言葉に、何々煮と言う言葉の語呂合わせが、相まったというだけでしょう。

私の郷里では、出汁は真黒で、出汁を呑むモノではありません。
小皿にの生姜醤油に付けて食べると言う不思議なスタイルを使います。
コンビニでも、生姜を付いてくると聞きます。

あくまで、出汁は食材を煮るだけのものです。
味付けは、甘辛いもので、くどいので、生姜醤油でさっぱり頂きます。
これが、意外と美味いです。

関東煮と言えば、こんな感じです。
そう言うスタイルなんですね。

家でも、たまにはそうした播州関東煮を作ってもいいですが、嫁や子供には、ベーシックなタイプがお薦めです。
私の作った即席の関東煮も、燗酒にもごはんにも合います。
すぐに作れて、それでいて、ご馳走感もあるのが、ありがたいです。

日々の暮らしの中、心の三毒を廃し、平穏無事に暮らしたいです。
神仏に手を合わせて、感謝して暮らさせてもらっています。
ありがたいと感謝です。


[ https://blogs.yahoo.co.jp/kantoshoue/34659161.html 「おでん」と「関東煮(かんとうだき)」の「と」 より。]