''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

大黒ラーメンから見える世界

京都伏見にある有名なラーメン屋さんです。
東福寺駅の前にも東福寺店があります。
伏見が本店です。

京都にはいろいろな有名なラーメン屋が点在します。
ますたに、天下一品、第一旭新福菜館、藤と名を轟かせる老舗が多いです。
その中にあって大黒ラーメンは少し異才を放ちます。

天下一品を除いて、大体豚の背油(BやC油)をそのベースに持つものが多いのが京都ラーメンの特徴です。
澄んだ鳥ベースのスープが受けないのも京都のラーメンの特徴です。

どの有名店もすこし油濃い味です。
その理由には学生の町としての京都にあります。
屋台から始まる店の歴史もこうした学生街の中から流行って行きます。

第一旭新福菜館の二店は、京都駅から近い地の利、その上早朝5時6時代から夜遅くまでと、営業時間の利から時代の寵児となって、有名店と成って来ました。
「モーニングラーメン」などと言う言葉もあるぐらいですからね。
仕事開けに、仕事前にラーメン食べてから、家路に、仕事場にと客はその行き先を変えます。店の努力も大変なものがあります。

伏見の地にあって、大黒ラーメンは異才を放ちます。
他のラーメンの味とは一線違います。
豚ベースの味ながら、他の味とは確実に違いを持っています。
イメージ 1

写真からは、こっとりした油っこいイメージですが、食べるとそうではありません。
よく炊き込んであるスープです。
スープの最後に澱(おり)が残ります。これもこの店の特徴です。
ざらついた澱(おり)が、よく炊き込んだスープであることが分かります。
香味野菜の味もしっかりします。

この周辺の住民はラーメンというと大黒ラーメンです。
地域に根ざしたラーメンです。
この店の特徴の一つは、よく煮込まれたチャシューです。
他店のように醤油ベースのたれに漬け込まれていません。

茹で上げられたままの風合いです。
豚肉の味が抜けていないですね。
煮豚は、そのままでは大変匂いがきつく、ここに手が加えられています。
店の技ですね。中華風の匂い消しの香料でしょうかね。

スープ自体も醤油ベースですが、醤油醤油した味もしません。
塩加減が強くなく、どちらかと言うと淡白なスープです。
これに麺の風合いと味の抜けていないチャシューの三味一体のコラボです。
この店でしか味わえない味です。
歩いて行ける距離なら周に3日でも大丈夫です。

この店の名前は、大黒町にあるからだと思います。
伏見は太閤秀吉さんの作った町です。
太閤秀吉は大黒天を大切に御祀りされていました。
念持仏として三面大黒天などが有名です。
有名なのが、ねねの道の高台寺近くにもありますね。
伏見にも大黒天をお祭りされているお寺もあります。

大黒天は、五穀豊穣の神様です。
打出の小槌の大きな袋それに米俵に乗っておられます。
七福神のお一人です。
もともと日本の神様ではありません。

大黒天はもともとインドの神は、ヒンドゥー教起源の神であり、梵語で摩訶迦羅(マハーカーラ)と呼ばれます。
大黒天の真言は「オン・マカキャラヤ・ソワカ」です。種子はマです。
真言系お寺には、この真言がよく書かれています。
オンは帰依する。マカキャラヤは大黒天の名前(マハーカーラ)、ソワカは成就する。
そういう意味ではね。

帝釈天毘沙門天などと同じく仏教の天部に所属する神さまです。
マハー(大いなる)カーラ(黒い)で、漢訳して大黒天となります。
それが仏教に採りいれられ、仏敵と戦う勇猛な護法の軍神となります。
朗らかなお顔立ちとは別の雰囲気です。

ですから、武士(もののふ)の信仰も強かったのです。
刀剣類にも、種子マの彫り物をよく見かけます。
こうしたご縁がここにもあります。

ラーメン食べながらも神仏のご縁はありますね。
大黒天、改めて調べるといろんなことに繋がっていることに気づきます。
神仏には敬意の念が必要です。

大黒ラーメン名前からご利益頂いた様に感じます。
ありがたいです。感謝の念に耐えません。
日々の生活にもこんなささやかな「ご縁」と「よかった」がありました。

最後まで麺が延びそうな長話にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。