''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

大根日記 その16

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朝の日差しも柔らかな京都伏見です。
昨日は、日中の気温が30度を超えた夏日のところもあり、汗ばみましたね。
しかし、今日は昨日よりは過ごしやすい予感があります。

いつものように目覚めると、裏庭を覗きます。
すくすくと成長はしているものの、やはり、茎が横に倒れるものも多いです。
もともとこうした植物なのか、未だ解明には至っていません。
横になっても、成長してくれれば、ありがたいです。

日に日に色が濃くなります。
赤丸二十日大根ですので、茎が幾分か赤いです。
双葉が、4枚になっているところがはっきり分かります。
半数近くが、小さいながらも4枚の葉をつけています。

大根らしくなってきましたね。
大根と言えば、漬物の代表格です。
しかし、この大根は、ラディッシュみたないサラダに適する大根です。
生で食そうかと計画しています。

大根役者と言えば、売れない役者としての蔑した敬称でしょうかね。
あまり売れっ子の役者に「よー、大根役者」とは言いませんね。
大根役者とは、当たり役のない役者を意味します。

大根は、煮ても焼いても、もちろん生で食べても当たりません。
そこに由来しています。
ですから、刺身のケンというと、大根です。
傷み止めでもありますね。

刺身に大根のケンが付いていないと、何となく感じが出ませんね。
もちろん、料理人からも同じことが言えます。
大根のケンを枕にして、大葉を敷き、刺身を盛ると言うのが見場のいい盛り用です。

落語にしても、話の本題に入るまでの、ネタフリが必要です。
落語もいきなり本題に入る噺家もいます。
それはそれで格調があってスマートです。
場内が温まっていたら、それもありです。

でも私は、「バカバカして噺を一席なんて」いう枕は大嫌いです。
落語が、笑いの芸と感じてはいません。
落語の醍醐味は、泣き笑いでしようね。
私は人情話が大好きです。

しんみりと聞かせる演者の力量が、そこで試されます。
言葉は分からずとも、演者の発する雰囲気があります。
俗に「無舌」何ていうこともあります。

言葉でなく、その場の空気感でしょうね。
枕も場内を盛り上げる上でのテクです。

中には、本題は全く面白くなく、枕が面白い演者もいます。
本来は、全く違う話から切り込んで、最後に意外なところから、本題に入るのが面白いです。

和歌の枕詞(まくらことば)みたいですね。
「あおによし」と言えば、「奈良」ですね。
「ちはやぶる」と言えば、「神」ですよね。

だからこそ、落語の『千早振る』の和歌が生きて来ます。
和歌の可笑しな解釈が際立つのですね。
「ちはやぶる 神代も聞かず 龍田川 からくれなゐに水くくるとは」 by在原業平朝臣

みんなが知っている和歌だからこそ、その意味が余計に滑稽です。
相撲取りと花魁(おいらん)の恋の話です。
この色っぽい話が、豆腐のおからと関係するところが、全く奇想天外です。
本来の和歌の意味とは別物です。

ちなみに、龍田(タツタ)揚げは、この和歌の錦色、つまり醤油の色に由来しています。
そんな時は「しょうゆこと」とうなずいても、「ソースね」と相槌入れて頂いてもいいですよ。

和歌からおから、挙句には唐揚げの料理に、話は広がります。
もちろん、龍田(タツタ)揚げには、二十日大根のスライスしたサラダを盛り付けます。

いやいや、大根役者は、どんなモノにも対応できる助演俳優だと感じています。
早く逢いたい大根です。
楽しみです。
大きくなってくれよな。

最後まで、醤油の香る話にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。