''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

有喜屋のそばで、休日の昼餉より。

昨日の黄砂は凄かったですね。
遠くの山も、微かに黄色びた風に曇っていました。

一転、今日の日差しは、暖かです。
行楽日和です。
幸い私は仕事日和です。

少しカレンダーとは違う連休を過ごしました。
それでも、昨日は学生時代の友人・あゆあゆのパパと久しぶりに会いました。
昼にあって、休日の昼餉を共にするわけです。
もちろん、アルアルタイムもあります。

場所は、大抵は蕎麦屋です。
昼過ぎに、三条の有喜屋に足が向かいました。
鴨川近くですが、景色の方は良くないです。
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池波正太郎氏のいつも金言です。
呑まぬくらいなら、蕎麦屋に入らぬです。
はい、了解です。

それではと、いつものように、まずはビールで喉を潤します。
私の好きなそば味噌が付いて来ます。
そばの実がカリカリとナッツのように、みその香ばしさと甘みとその食感が、たまりません。
これで、冷なら1杯は呑めます。
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天ぷらの盛り合わせも、大ぶりの皿に盛り付けてあります。
焼き魚に添えてある椒(はじかみ)ショウガが、好きです。
もちろん、これも食します。
肴は、かまぼこ、鰊(にしん)の炊いたものと来れば、この辺で日本酒の燗が、尽かさず入ります。

休日の昼餉、お客さまも多いです。
それでも、二人して昔話や、今の状況を何気なく話して時間を過ごします。
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最後の〆は、二八のざるそばです。
普通の蕎麦屋にしては、少し高い目の値段設定ながら、なんちっゃてのそば通にも充分楽しめます。
そば粉は、国産とアメリカのワシントン産のそばが7対3のブレンドです。
それに繋ぎの小麦粉ですね。

喉越しといい、香りといい、硬く冷水で〆ているそばの歯ごたえといい、関西人の私の口には、合います。
そば汁も、それほど味も濃くありません。
猪口に入ったそば汁を、最初に少し口に含みます。
その加減で、どれだけ蕎麦を漬けるかの塩梅を決めます。

ちゃぼんとすべて漬けると、少し野暮な感じがします。
それでも、味がちょうどなら、それも悪くないと思います。
人によって好みはあります。
この日は、7割程度漬けるという塩梅です。

そばも上から上から、手繰ります。
わさびも、そば汁に溶いてはいけません。
そばの上に少し乗せて、汁には漬けません。

汁の味が濁ります。
出しの加減も悪くなります。
白ねぎの刻んだものは、好みを見て入れるのが、私の好みです。

この店では、当然鶉の卵や鶏卵は付きません。
一昔のざるそばには、よく付いていました。
それらを入れるとそばがダメになる、そう池波正太郎氏は語られていたように記憶しています。

江戸っ子の食べ方ですね。
ざるそばの上の海苔さえ邪魔、それが江戸っ子です。
そばは、盛(もりそば)に限るの粋かもしれません。
私は刻んだ海苔が、それほど邪魔になるようには思えません。

そばの香りが持ち味です。
わさびも白ねぎも、その持ち味を殺さぬ程度に、入れるのが、そばを楽しめるコツかも知れませんね。
あるから、すべて入れるの「もったいない」の精神は、少しおいて置きましょう。

そばの香りが、鼻腔に木霊します。
その香りの尾っぽの長いことです。
それとは別に喉から鼻に抜けるそばの香り、それにそば汁の出汁の香り、三位一体の一人時間差攻撃です。

後味も、後香も、長く長く楽しめます。
ここに、日本酒の香りが後追いします。
うまい!!

確か、魯山人は、酒とそばを合わないと言っていたように記憶しています。
食通の域とは、まだまだ行けそうにありません。
修行がたりません。
盆夫のサガでしょうね。

日本人に生まれたことに、心から感謝したいですね。
こんな質素なものが、これほど深い世界を作ろうと思いも因りません。

江戸時代なら、もっとそばとの距離が近かったのかもしれません。
そば屋は、食事する場所でも、酒を呑む場所でも、時に喫茶店代わりに、二階があれば逢引の場所(何もできませんけどね)にと、マルチな使い方の出来た憩いの場所であったはずです。

最近、そのそば屋の位置が、少し庶民という言葉と遠のいて行く感じがします。
気さくに、そばでもたぐって行くかと言えた時代が、、、、。
「そば」が「通」という特別なキーワードに変わって言ったような気がします。

特別な食べ物になりつつあります。
庶民のそばであって欲しいです。

通の人には、もっともっとと思うのかも知れませんが、そば一枚が1000円を越えると、贅沢なものに変わります。
そば一枚では、空腹を満たせません。
どうぞ、いつも私のそば近くに居てて下さいね。

それにしても、ゆっくりとした休日を友人と過ごせることに、感謝です。
同じ日本に居ながら、東日本の被災者の方もおいでです。
ゴールデンウイークぐらいは、人並みの休日気分を過ごして下さっていると思いたいです。
そうであって欲しいと、強く感じます。

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らすを旨としています。
ありがたい仏縁を頂けたことに、深く感謝しています。
ありがとさんです。

今日も一日、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

最後まで、そばのように長い話にお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。