''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

「国宝 鑑真和上展」を見たくなって。

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奈良国立博物館で、現在「国宝 鑑真和上展」が開催されています。
先日テレビのニュースでやっていました。
どうしてもこの特別展を見たいの衝動です。
昔、一度唐招提寺に言ったときも、お会いしたような遠い記憶があります。
何故か知りませんが、もう一度お会いしたと思い立ちした。
とても有名な坐像です。教科書にも必ず載っているような鑑真和上坐像です。

鑑真和上は、唐の出身の僧侶です。数度に亘る渡航に失敗を乗り越え、天平勝宝5年(753)に日本に渡って来られました。1300年も前の話です。
はじめは東大寺戒壇院を根拠としましたが、後に平城京内に唐招提寺を開き、ここに居を置きました。
苦渋の日々だったと思います。

日本に渡航されるにあたって、鑑真和上はすでに唐では地位の高い高僧でした。
わざわざ日本に渡るような人物ではなかったのです。
弟子もしくは孫弟子でもよかったはずです。

あえて自ら日本に渡航されて来ました。
それも嵐に遭遇して、失敗すること数回です。
失敗と同時に、自らの目の光も失いました。
それでも希望を捨てないで最後まであきらめないで目的を全うした尊い方です。

はっきりは書かれていませんが、日本に来られてからも、平城京の僧の権力に追いやられて、疎外されていきます。
そして、安息の地に選んでのが、唐招提寺です。

「わざわざ無理をしてやって来たというに何たることか?」と思われたのかもしれませんし、それが御仏に与えられた試練と考えられたのかは判りません。
どんな時どんな場所にあっても「よかった」を探されたのかもしれません。
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東大寺の僧の権力関係から離れたことで、本当の仏教感を弟子と共に日本に植え付けられた日本の宗教の根幹が、この唐招提寺にはあるように思われます。
この唐招提寺は、1998年世界遺産にしかと登録されました。(サービスシッョト 笑)


この特別展には多くの仏像が展示されています。
特に四天王像は圧巻です。力強いお姿です。すべて国宝です。
それに帝釈天立像、梵天立像も同じく同場所に展示です。こちらも共に国宝です。
六体の国宝の像を行ったり来たりと何度も見ましたね。

これはすごかったです。
この6体の像が最初のお出迎えで、この特別展が始まります。
この場所に20分以上居ましたね。
まだ始まったばかりです。
このままで体が持つかが心配です。

経典をはじめ、書がいつくか展示されています。
しっかりとした字で1000年以上前に書かれた字とは思えません。
さっき書かれたかのような筆使いです。紙は当然古いです。

しかし、そこに書かれてある書は書かれたときの息づかいまで読み取れます。
時代を超越した伝言です。
「この人結構癖字です」なんてね。お叱りを受けそうです。

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幾多の展示を見て、とうとう鑑真和上と対面です。
穏やかに目を閉じられてお姿は生きておられるかのようです。
何を思い瞑想されているのか、凡人には計り知れません。
心で問いかけましたが、何もお答えされません。
深い深い瞑想のご様子です。

自称、「瓦」評論家としては、唐招提寺金堂のしび瓦は、1200年以上経っていますが、堂々としています。まさに奇跡ですね。日本の歴史をずっと見て来た生き証人です。

平安も鎌倉も室町も戦国時代も江戸、明治、大正、昭和、平成と同じ場所にあったんですからね。目の前にあります。身分の高い天上人ですら、こんなに間近で見ることはなかったはずです。

それ以上、感動があったのは、東山魁夷画伯の御影堂の襖絵です。
岩と波、それと岩の上の松が一本潮風に晒されています。
あとは青い青い海です。日本海の海でしょうね。たぶん。

コバルトブルーのような日本画では見かけないような鮮やかな青です。
12枚、すべてを一度に平面にして見られます。
これはすごいです。

海が見えます。
荒れている日本海の海です。
寒くもないのに襟を立てます。

潮風が感じます。
顔にもの凄い風が頬に感じます。
波の音も聞こえます。
荒々しい日本海です。たぶん・・・・・・。

軽く船酔いしたような感覚です。
こんなすごい大作なのに、あまり人はご覧になっていないです。
それもすべてを見渡せる場所は一箇所しかありません。

椅子に座ってゆっくり心のバッテリーに充電です。
短時間ながら、放電しそうなほど充電しました。

芸術の素晴らしさです。
言葉は要りません。
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パンフレットにも掲載されています。
実際見るのとは全く違いますが、一見の価値はあります。

こうして奈良国立博物観の数時間が済みました。
特別展だけでなく、平常展も一緒に見てきました。
どれだけの仏像を見たか分からないほどです。
ありがたいです。御仏のご縁があったんですね。

幾多のご縁に支えられています。
ありがたいと感謝で見えるご縁もあります。
そう五円玉の穴があるのは、その穴からご縁を見えるようにですね。たぶん・・・。

最後まで今日も長々とお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。