''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

『菜根譚』とラーメンを語る

17世紀の中国明代の洪自誠著『菜根譚』(さいこんたん)は、多くの人に読み伝えられている名著です。どの項目をとっても人生訓が盛りだくさんです。多くの名言の中に私の好きな項目があります。前半七番の食事と人についての項目です。食事と人がどう関係するのか不思議な関係です。

本当に「美味しいもの」というのは、油濃かったり甘かったり味の濃いものでなく、あっさりしたもの(淡)の中にある。それと同じように本当のすごい人というのは奇人変人の中にいるのでなく、こんな人と言われるような普通の人の中にこそいる。こう述べられています。(意訳混じりです)

これはすばらしい。

日々食する食べ物と人を対比してその中に真実を見つけようとする。日本の格言の中にも「能ある鷹はつめを隠す」というのもあります。池波正太郎の「鬼平犯科帳」の主人公長谷川平蔵が愛用の父親の杖にも同じような文字が彫られている。(愛読者ならご存知のはずです。一度読み返しては如何ですかね。あえてここでは書きません)

まだまだ未熟ゆえ人に対する評価は差し控えますが、食事には一言書き記します。ペーパー調理師ですが、一応調理師の資格も持っています。

最近のラーメンは、油っぽく有り過ぎませんかね。私の子供の頃食べたラーメンは、澄んだ鶏がらスープでした。豚の背油(B油)のスープ美味いですが、油だらけのスープを通好みのスープと位置づけている風潮があります。かぶさっている部分は有りますけれども、うまみと油っぽさと全く別物です。

美味い鶏がらスープを見直して欲しいです。本当に美味いですよ。昆布とカツオは相乗効果で四倍のうまみが出ます。日本料理でそれは分かってもらえます。このうまみを分からない方が多いんです。「頼りない」とか「味が薄い」と舌が馬鹿になっているんですよ。ですから味の濃い塩味を好まれ、体に害を及ぼします。

フライものでも、上からソースをかけ「ソースの池」状態にしないと満足しない人老若問わず多いです。それにラーメンでも、一口も口をつけないでテーブルの上にあるものすべて入れる方や多いです。関西なら辛い「にんにく味噌」(ヤンニンジャ)、コショウ、唐辛子の粉末を「どんだけ」と言わんばかりに入れる人多いですよ。

それで一言「あんまり、美味くないなぁ」でしょう。馬鹿かと言いたくなる。

出汁をよく効かせると塩の量減らすことが出来ます。味噌汁も味噌の量でなく出汁の量を変えると減塩に繋げられます。それに香りがいいです。香りも味の要素です。美味そうな匂いに食欲がそそられます。

あっさり(淡白)の中に奥行きが出ます。それだけに「ごまかし」は利きません。一切の無駄の排除それが真味なのかもしれません。洗練されたシンプルの中に本物が隠されているんでしょう。

洪自誠著『菜根譚』は解説書も多く出版されています。どうか機会があればお読み下さい。新しい自分と出会えるかもしれません。

この本と出会えた事に今日も「感謝」の気持ちで「ありがとさん」です。