''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

児の手柏 (このてがしわ)に、金平糖みたいな実がなっています より。

今日も、先日の大阪中之島への遠足の続きです。
大阪中之島辺りは、何となくいいですね。
川面も見えますし、風も通ります。
川のある暮らしはいいです。

 

私の住まいします京都伏見にも、疎水があります。
ベニスや蘇州と違いますが、何とも水のある暮らしは、豊かです。
夏には、涼しい感じがします。

 

その中にあって、レンガ風造りのオレンジ色の建物は、この川のある風景にマッチしています。
昔のこの中央公会堂の下に、レストランがあります。
今もあると思いますが、経営者が違います。

 

名物は、オムライスです。
会計する所に、おばあちゃんが座っています。
ここのお薦めを聞くと、メニューのオムライスを指さされました。
もちろん、このオムライスをオーダーしました。
一見、何処にでもあるような定食屋さんのようなオムライスでしたが、玉子が薄く上手に巻かれていました。

 

それも、オーダーして、数分もかかりません。
名物ですから、オムライスのチキンライスも、すでに用意してあったと思います。
ですから、あとは玉子を巻くだけです。
油もそれほど使われていませんでした。

 

多分、鉄のフライパンに油が馴染んで、それほど油を引かないでも、テフロン加工されたフライパンみたいに、玉子が引っ付かない状態であったと思います。
厨房の両開きのトビラから、出て来られる時に、厨房内がちらりと見えました。
フライパンが、何枚も並んでいたと記憶しています。
イメージ 1

その橋の上に、木が植えられています。
この木が、児の手柏 (このてがしわ)という木です。
今この木に、実がなっています。
まるで、金平糖のような形をしています。
イメージ 2

何とも可愛らしいです。
この児の手柏 (このてがしわ)が、鶏肉の「かしわ」の語源になっているとも聞きます。
児の手柏 (このてがしわ)は、葉に裏表の違いが判別できません。

 

それをもって、時には、肉に、特には、魚のような食感を持ち合わせることが出来るのが、この鶏肉なのです。
その為、鶏肉を「かしわ」と呼ぶことに至ったと言う説があるようです。
「かしわ」は、鳥の戒名ではありませんよ。

 

児の手柏と言う木は、万葉集には2首に登場するようですが、現在のどの草木にあたるのかが、よく分かっていません。
今のこの児の手柏は、江戸時代に入ってきたようです。

 

この辺りにとって、興味深いのが、名刀「児手柏包永」です。

 

細川藤孝(後の幽斉)は、12代将軍・足利義晴から、包永の名刀を下賜されたと聞きます。
もともとは長い太刀で2尺6寸強あったようです。
ただ藤孝には、長すぎる為に2尺2寸に磨上げています。(太刀の長さを短くした)

 

茎表に「兵部大輔藤孝磨上之異名児手柏」裏に「天正2年3月13日」と刻ませ佩刀の一振りにしたとの事です。

 

通常は、刀は表と裏が同じような刃文になるのが、普通なのですが、この包永の刃文は、裏表の刃文が違います。
表は焼きの高い乱れ刃、裏は焼きの低い直刃であったと聞きます。

 

そこで、藤孝は万葉集にある和歌を思い出します。
奈良山の児の手柏の両面(ふたおも)に  かにもかくにもねじけ人の徒(とも)
と言う和歌にかけて、表と裏がまるっきり違うと言う意味で「児手柏」と銘を刻んだというのです。

 

つまり、この藤孝の言う児の手柏は、今の児の手柏と違う児の手柏であったことが分かります。
現在の児の手柏は、裏表が分かりません。
その代り、昔の児の手柏は、表裏に明らかに違いが見たいです。

 

その意味から言えば、鶏肉のかしわも、表面の皮の部位と、その肉の部位は、まるでこの二面(ふたおもて)のある鶏肉にも通じます。
さて、かしわの命名の言われは、闇の中、いえいえ、冥々の中と言う事です。
鶏に聞いても、分かりません。

 

ちなみに、名刀「児手柏包永」は、幽斉公から家康公に渡り、水戸家に伝えられます。
残念なことに、この名刀、大正12年関東大震災で、小石川の水戸屋敷で焼失してしまったと聞きます。
名刀には、逸話がつき物です。
その代り、康継が打った「児手柏康継」ような、幾振りかの写しはあります。

 

今の「児の手柏」のように、心に裏表ないような平穏の暮らしがしたいですね。

 

日々の暮らしの中に、ささやかな幸せはあります。
ありがたい仏縁に感謝して、暮らさせて貰っています。

 

心の三毒を廃し、心静かに安穏に暮らしたいです。

 

今日も明日も、私も世の中も、平穏無事に過ごせますように、祈るばかりです。

 

最後まで、可愛い突起のある話に、お付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。