''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

おでんですか? いえいえ、関東煮(かんとうだき)です。

おでんの美味しい季節となりました。
煮込みの代表格の料理です。おでんと燗酒とくれば時代劇の食べ物の定番です。
哀愁すら感じる冬の定番料理です。

 

関西ではおでんと言わずに関東だきと言います。ですが文字の表記は関東炊とか関東焚とか関東煮と表記します。私にとってもおでんは串にささってするおそまつくんのちび太のイメージですかね。今ではおでんと言ってしまいます。コンビニでおでんと言う言い方が定着したのも大きいです。
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私は兵庫の播州の出身です。私の郷里のおでんは、皆さんの知っているおでんとは大きく違います。真っ黒です。甘味が強いです。砂糖にお酒を入れて甘めに作ります。一度作れば一週間も食べても飽きはないです。出汁が深くなります。

 

関東煮は料理屋の味でなく、庶民の味です。関東で駄菓子屋の一角でもんじゃ焼きなど食べされる店がありますよね。これに近いです。ここにお酒も置いてあっておじさんたちも飲んだりするイメージです。ごはんとおやつのアニューな位置にあります。お好み焼きの雰囲気に近いです。今じゃこんなお店は大変少なくなりました。

 

ですがこういうお店は、出汁(だし)を捨てません。継ぎ足し継ぎ足して使います。鰻のタレと一緒です。深い深い味に誘います。毎日火を入れているので悪くはなっていません。独特の黒い関東煮です。播州のおでんはこのため、甘味が強いのですこしくどいです。ですから、甘い出汁は下出汁です。

 

食べるのは「しょうが醤油」で頂きます。取り皿に、醤油にしょうがをたっぷり入れます。これに付けて食べます。甘い下味としょうがの辛味が絶妙です。しょうがの味が大変利いています。これがわざと食べたくなります。家でもしょうが醤油で頂くこともあります。すこし甘い目に、そして真っ黒じゃないと美味くないんです。

 

ごぼ天も箸で難なく切れるほどやわらかく、大根もうまみたっぷりに色も飴色になっています。ぶり大根並みです。蒟蒻も一回りか二周り煮込んで、小さくなって固くなっています。味には甘味の出汁がしみ込んでいます。ぷりっとした食感が心地よいです。口中で小躍りしていますね。

 

あつあつです。口の中で火傷しそうです。この火事の鎮火にはビールの放水です。一瞬にして鎮火です。急に寒くなります。そんなときは燗酒が程よく口中を温めます。いざ次の戦に準備万端です。

 

つぎは焼豆腐、いきます。よく煮込んだ豆腐の風合い、出汁の含み、程よく口中に解けます。心地よい大豆の甘味と出汁の甘味、鼻腔に抜ける豆の香りです。忘れてはいけません。鍋深くに沈む「すじ肉」さまです。我が家は串にはさしません。大きめにカットです。固い腱のところでも、肉に近いやわらかいところだと関係よいです。ゼラチンのとろける食感とねっちょり上あごに引っ付くファジーに食感です。味だけなく口全部に喜びを振りまきます。

 

後味にがいいいです。しょうがの香りもさわやかです。醤油は薄口にして下さい。濃口では塩分に欠けます。甘いとしょっぱいと辛い三位一体と化したミルヒィユにアンサンブルに、意識が遠のきます。「帰って来いよ」そんな声に流浪な旅人がこの地に帰って来ます。
燗酒の妙がこれを完成にとお供します。
緩やかな快いいざないです。

 

おでんはおでん、関東煮関東煮です。
ちくわ麩は入っていません。すじは牛すじです。
地域によっておでんはいろいろです。
ふるさとの味であり、居酒屋の味であり、もちろん家々の味でもあります。

 

たまには早く帰っておでんでいっぱいいいですよ。
こんな暮らしに感謝を添えて、おでんと燗酒でこころも体も温めてください。

 

最後まで読んで下ってありがとさんです。感謝の気持ちを添えます。