''かんとうしょうえ''の痛風日記

一病息災と心得て、「よかった探し」をしながら、日々感謝して暮させてもらっています

『魯山人味道』の実践 とろろ昆布そば編

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魯山人味道』(北大路魯山人 平野雅章編 中公文庫)は、私の愛読書の一つです。
私のブログにも何度も登場しています。

短い話の構成で、読みやすく、何度も同じところを読んでしまいます。
魯山人と言えば、美食家、陶芸家、書家といろいろな顔を持つ才人です。
ここまでは、誰しも認めるところでしょう。

ただし、言っていることとしていることに少し違いがあるのも事実です。
特に陶芸の分野では、理論と実践が噛み合わないことも多いです。

しかし、それもありと思います。
人である以上、矛盾はつきものです。

私が、魯山人に興味があるのは、普段使いということです。
普段使いと言っても、食器だけのことではありません。
料理にも言えます。
書にも言えます。

特に料理に有っては、素材の持ち味を活かすことが実践されているように思います。
料理人と言っても、本当に料理をお客に出す調理担当でなく、料理の献立から、器、空間を理する調理の総合プロデューサーです。
その才に特に長けています。

それも料理を出される客、つまり食べる方からでなく、料理する方から目線です。
今の旬は、何が美味しいのか、この料理にはどの器が合うのか、この料理に合う室内のお軸は何がいいのかと目線です。

魯山人味道』の中に出てくる食材も高価な物や手に入らない物も書かれています。
しかし、普通に食べる豆腐やお茶漬けや昆布と庶民的な物も多く取り上げられています。
魯山人も京都の生まれです。
貧しい幼少期を過ごします。

生き残るすべが、食に対するこだわりです。
養父に殴られないように、美味しくご飯を炊く、少しの金銭で美味しい物を買ってくると生きるための目利きがそこにあります。

ですから、ごく普通の食材に対する目利きもすごいものがあります。
フォアグラやトリフは、日常にはありません。

そのなかに、「昆布とろの吸い物」という節(昭和8年)があります。
関西では「昆布とろの椀」と呼ばれることが多いと書かれています。

確かに関西人なら一度は食べたことがありますよね。
味噌汁でなく、とろろ昆布に、少しの薄口醤油を垂らし、それに熱湯をかけるだけで簡単な吸い物が出来ます。

これが単純でありながら、よく出来ています。
私も好きですね。
関西以外の方なら、味が薄いと言われる方も多いですね。

しかし、出汁を効かせるという意味では、旨み成分が濃いいです。
魯山人は、ここに科学調味料を入れることを明記し黙認しています。

もちろん、ちゃんと出汁を引いて、その出汁をとろろ昆布に注ぐと本格的な料理になると書いてもいます。
ただし、条件があります。
ねぎの微塵切りしたものを加えることがその条件です。

味が非常に良くなります。
私も賛成です。よくやります。
うーん、納得です。
これなら、普段の食事に使えます。

普段電車を利用していませんが、無性に駅のそばが食べたくなります。
京阪電車丹波橋の比叡そばです。
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なかなか手頃でうまいです。
出汁は、多分、創味食品(京都)のつゆを使って居られると思われます。

創味食品の液体出汁は、大変よく出来ています。
これさえ使えば、プロの味です。(間違いない・・・ちょっと古いか)
業務用にも使われています。

ここでのオーダーは、私のお気に入りの昆布そば(280円)です。
もちろん、とろろ昆布の入っているそばです。
右側の黒っぽいのがとろろ昆布です。

このそばが食べたくて、近くにバイクを止めてやって来ます。
魯山人の言うねぎが乗っています。
ねぎだけ大盛りでお願いしたいぐらいです。

それに、七味唐辛子もよく合います。
魯山人に、七味か一味も条件に加えてもらいたいです。
写真用に少し振り過ぎました。

そばを普通のそばですが、とろろ昆布、ねぎ、七味、つゆの加減がそば全体を盛り立てます。
「うまい」です。
こんな物が、これほどうまいなんて庶民であったことを感謝します。
日本で生まれたことに感謝です。

これには、おにぎり(2ヶ入り210円)か、いなり寿司(2ヶ入り210円)が合います。
私は、おにぎりのチョイスです。

普段の生活に魯山人の知恵を活かします。
何度も同じページを読むので本も傷みます。
それでも、実践するのは日々の創意工夫です。
また、紹介させてもらいます。

最後までお付き合い下さいまして、心よりお礼申し上げます。