『鬼平犯科帳』の中で、平蔵の密偵で、牛蒡(ごぼう)と言えば、馬蕗(うまぶき)の利平治が思い出されます。
馬蕗(うまぶき)と言えば、牛蒡の異名ですからね。
利平治の容姿が、牛蒡(ごぼう)のように、顔も躰も細くて長くて、色まで黒いと言う設定です。
池波先生の設定には、今では使われない植物や動物の名前をモジって、2つ名にしている事例が多いですね。
鬼平ファンなら、猿の異名と言えば、猿(ましら)ですよね。
蛇(くちなわ)と言えば、「蛇(へび)の別名のこと」です。
盗賊の名前に出て来ます。
私の郷里播州でも、蛇の事を、ハメと呼びます。
子供の頃、草むらで遊んでいると、大人がハメが居るから危ないと言われたこともあります。
ハメとは、はむ、つまり、噛むことの意味ですね。
マムシもそうですが、蛇全体の呼び名になっていましたからね。
「瓜食(は)めば子ども思ほゆ栗食めばまして偲はゆ」
山上憶良作の短歌、万葉集「子等を思う歌」にもあったように思います。
我が家にも、8歳児の娘が居ますので、同様に娘の事を思います。
娘が、3歳ぐらいまで、深夜目が覚めて、横に寝ている娘を見て、「自分にも娘が居る」夢ではなかったのだと、またすぐに眠る日々が続きました。
「観音様に感謝して」、布団の中で手を合わせていました。
観音様とのありがたいご縁です。
嫁も持病で入院を何度かしましたが、私は娘が生まれてから3ヶ月以上の病院から退院してから、ずっと一緒に過ごしています。
今の家に引っ越してから、家族3人川の字に寝っていますが、目が覚めたら娘の存在を改めて感じます。
自分にも娘が居ると言うのが、夢の中での出来事のように感じることが多かったです。
目が覚めると、あの伏見の長屋に寝ているような気がします。
現実なんですね。
ありがたいことです。
人並みに、人の親になれたと人生味わって居ますよ。
牛蒡ではないけれど、残りの人生も、細く長く暮らして行けば、ありがたいです。
先日、嫁の親戚から、葉牛蒡をお裾分けして頂きました。
この時期の旬です。
丁寧に洗って、煮物にしてみました。
出汁を効かせて、砂糖と酒とみりん、そして出汁醤油で煮て、最後にすこしだけごま油を垂らしました。
味のイメージは、出汁の効いた金平ごぼうです。
味を濃くせずに、出汁の旨味を効かせました。
なかなどうして美味いです。
金平ごぼうみたいに、炒めて味を濃くしても美味いかもしれませんが、小さい子供食べますので、味が濃いと喉が渇いたと言い出します。
8歳児ゆうゆうも、食べてくれました。
どうやって、作ったのかと聞かれたので、「出汁を効かせて、砂糖と酒とみりん、そして出汁醤油で煮て、最後にすこしだけごま油を垂らした」と答えると、何だかなった感じです。
この最後の油の香りは、ごま油の風味だと言うと、納得したようです。
手間は掛かります。
でも、この時期しか食べられない旬のご馳走です。
ありがたいことです。
親子3人のささやかな暮しに感謝して暮させて貰っています。
ありがたいことです。
ささやかな「よかった」を探せて暮させてもらっています。
ありがたいことです。
日々の暮らしの中、心の三毒を廃し、平穏無事に暮らしたいです。
神仏に手を合わせて、感謝して暮らさせてもらっています。
ありがたいと感謝です。
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